本研究は、mentalizing の発達起源・過程を「母親-コト-乳児」の三項関係から再考することを目的としている。資料の収集は 50 名の母子の 3、5、8、12、15か月時点でのやりとりの縦断観察によった。結果から、3,5か月では「子:物を見る(ILO)→母:同じ物を見る」、8か月では「ILO→母:物をドラマ化する(MDO)」、12、15 か月では「ILO→MDO→子が操作」 と変わることが認められた。このように 8 か月頃から母親はドラマ化によってコトを生み出すようになり、子どもの mentalizing が発達していくことが示唆された。
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