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2011 年度 実績報告書

論述文における適切な単語使用のための教材開発と指導法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22531046
研究機関小山工業高等専門学校

研究代表者

井上 次夫  小山工業高等専門学校, 一般科, 教授 (30342463)

キーワード話しことば / 書きことば / 単語の文体 / 論述文 / 位相 / 教材開発 / 指導法
研究概要

本研究の目的は、日本人の学生(高校生・高専生大学生等)が書いた論述文において話しことばが無自覚に用いられている実態について明らかにし、その問題解決のために単語の文体について明確な位置づけを図り、それに基づき実際の指導教材を開発するとともに、その指導法について実践的に研究を行うことである。
1.研究対象語彙のリストアップ
収集した論述文を中心に、調査対象とする単語を「類義語辞典」「分類語彙表」等の書物を対象に、70組延べ300語程度を収集した。それらについて、国立国語研究所「現代日本語書き言葉均衡コーパスBCCWJ」を用いて、白書コーパス、Yahoo!知恵袋コーパスにおける使用頻度調査から、各単語の文体の書き言葉レベル(コーパス文体値)を求めている。今後、さらに対象単語を広く数多く収集し、選定を行う予定である。
2.単語の文体の相対化
一方、上記で収集した各組の単語の一部を取り上げ、高専生、大学生、漢検上級合格者、高校国語教員に対し単語の文体判断(5段階)調査を実施し、アンケート文体値による相対化を行い、単語の文体式(例:「ちょくちょく<しばしば」と「近ごろ<最近<近年」)を示し、その活用法に関する考察を行った。
3.教材「アカデミック・ジャパニーズ表現の演習」の作成
単語の文体指導教材(A4版、42頁)を作成した。内容は自学自習できる単語文体に関する問題演習形式(解答付)で、付録に論文「語の文体の分類法について」「単語の文体式表」を掲載した。また、実際に授業で使用し、学習者の感想・意見を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

・研究目的を達成するために必要となる学生による論述文の収集がほぼ終わり、現在、補充的に日本語関係論文の収集を進めている。また、収集予定の単語数が当初予定数(100語以上)を超え、選定の段階に移っている。
・「単語の文体指導教材」の試作品を作成し、実際の授業で使用し、学習者の感想・意見が得られている。
・教材の掲載項目順に使用しながらの内容の確認段階である。・高専生及び大学生対象の指導実践は進んでいる。

今後の研究の推進方策

・調査対象単語の収集と選定をさらに進め、最終的に「単語文体指導教材」に掲載する単語を確定する。
・単語の文体値の求め方におけるコーパス調査及びアンケート調査の位置づけを明確化し、確定する。
・単語の文体指導教材を学習者からのフィードバックを生かして改訂する。また、内容面の吟味を行う。
・単語の文体値及びそれに基づく類義単語群の位置づけである単語文体式を示す一覧表を作成する。
・論述文における適切な単語使用をテーマとする授業の指導案を作成し、高専生を対象に実践する。それを踏まえて他校での出張指導が実現できるように研究を進める。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 言語表現法の実践2011

    • 著者名/発表者名
      井上次夫
    • 雑誌名

      白鴎大学論集

      巻: 26巻1号 ページ: 333-361

  • [雑誌論文] 国語学習の系統性(3)-書くこと2011

    • 著者名/発表者名
      井上次夫
    • 雑誌名

      小山工業高等専門学校紀要

      巻: 44 ページ: 1-10

  • [学会発表] 単語の文体判断について-話しことばと書きことば-2011

    • 著者名/発表者名
      井上次夫
    • 学会等名
      全国大学国語教育学会
    • 発表場所
      高知大学
    • 年月日
      2011-10-29
  • [学会発表] 発生動詞の文体考-起きる・起こる・生じる・発生する2011

    • 著者名/発表者名
      井上次夫
    • 学会等名
      ICJLE日本語教育学世界大会
    • 発表場所
      天津外国語大学(中国・天津)
    • 年月日
      2011-08-21

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公開日: 2013-06-26  

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