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2011 年度 実績報告書

有限群のコホモロジー論の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22540013
研究機関信州大学

研究代表者

佐々木 洋城  信州大学, 全学教育機構, 教授 (60142684)

キーワード有限群 / コホモロジー環 / ブロック・イデアル
研究概要

Gを有限群とする。kを標数pの代数的閉体とし,pはGの位数を割り切るとする。BをkGのブロック・イデアル,DをBのディフェクト群,iをソースべき等元とする。
1.ブロックBのソース多元環ikGlが定める移送写像を調べるために,ikGiの(kD,kD)両側加群としての直和分解を調べる必要がある。これについて,Dとiで定められるBrauer圏に属する部分対(Q,b_Q)の安定部分群に属する元gが定めるH^*(D,k)の移送写像が零写像でなければ,Qの中心化群の元yを適当に選べば(kD,kD)両側加群k[DgyD]がikGlの直和因子に同型となることを示した。これまでは,極大部分対(D,b_D)の安定部分群に属する元xから得られるk[DxD]しか知られていなかったので,この結果の意義は大きい。
2.有限群Gがp^-可解であるとき,H^*(G,B;i)の極大イデアルスペクトラムとH^*(D,k)のそれが一致するとき,Bはべき零ブロックであることを示した。
3.HをGの部分群とし,HのブロックCのGへのBrauer対応が定義され,それがBに一致しさらに,ディフェクト群としてDを持つと仮定する。このとき,H^*(G,B;i)とH^*(H,C;j)との関係を調べることは特に重要な課題であるが,Bのソースべき等元iとCのソースべき等元jがよい関係にあるとき,H^*(G,B;i)がH^*(H,C;j)に含まれるためにはH^*(G,B;i)がkDのHochshildコホモロジー環のiLj安定部分環に埋め込まれることが必要十分であることを示した。ここで,Lは(kG,kH)両側加群であり,ブロックBとブロックCを強く関係付けるものとして,本研究代表者によって定義されたものである。この結果はコホモロジー環H^*(G,B;i)の特徴づけを与えた研究に基づくものであり,雑誌"Algebras and Representation Theory"に掲載されることが決定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

p-可解についてはほぼ所定の目標に達したが,ikGlが定めるHochshildコホモロジー環の移送写像については,主ブロックに対しても有効なてがかりがつかめていない。しかし,実績にも示したように,ikGl直和因子について,新たな知見も得られた。また,Brauer対応で対応するブロックのコホモロジー環の包含関係については当初予想していなかったことで.研究の進展にともなって得られたものである。

今後の研究の推進方策

ikGlが定めるHochshildコホモロジー環の移送写像を調べるためにはikGlの直和因子についてより詳細なコホモロジー論的な解析が必要である.そのために,具体的な例を詳しく調べることにより,理論的な考察につなげたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ブロックのコホモロジー環について2011

    • 著者名/発表者名
      佐々木洋城
    • 学会等名
      研究集会「有限群のコホモロジー論とその周辺」
    • 発表場所
      京都大学数理解析研究所(京都府京都市)(招待講演)
    • 年月日
      2011-08-29
  • [学会発表] ブロックのコホモロジー環と安定元2011

    • 著者名/発表者名
      佐々木, 洋城
    • 学会等名
      第23回有限群サマーセミナー
    • 発表場所
      草津セミナーハウス(群馬県草津町)
    • 年月日
      2011-07-30

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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