研究概要 |
1. κ_0を有限次総実代数体、κ_∞をκ_0に1のべき根をすべて添加して得られる代数体、Lをκ_∞の最大不分岐アーベル拡大とする。κ_∞のイデヤル類群の、p-primary part (p:奇素数)のマイナスパートについては、その(部分的な円分ガロア作用を込めた)構造に関する以前の結果があるが、ガロア群Gal(L/κ_∞)の同様な構造については未知である。前者の構造と、後者の構造の関連について考察し、(岩澤理論の場合と異なり)前者の構造からは後者の構造は(事実上)導けないことを確かめた。 2. 曲線の基本群の数論的性質をもう一度整理することを念頭に置きつつ、The 3rd MSJ-SI (The Mathematical Society of Japan, Seasonal Institute) "Development of Galois-Teichmuller theory and anabelian geometry"(京都大学数理解析研究所、10月25日~30日)の講演(4人の共同講演2コマ)の準備を行い、内1コマの講演(タイトル:「Easy walking in GT theory and anabelian geometry I」)を行った。 3. 無限次代数体の無限次pro-p拡大体(p:素数)のガロア群の中では、p-素点の惰性群全体は、一般に「連続な族」をなしている。それらが生成する部分群が「free pro-p product」に分解する場合の考察のため、「free pro-p product」について、基本的な事実を調べ、整理してまとめた。
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