研究概要 |
「類数1の実二次体は無限に多くあるだろう」と主張するガウス予想(1801)を解くために,河本・冨田(2008)は「極小型実二次体」という概念を導入した.その概念は,実二次体全体をある実二次無理数の連分数展開の周期で分類し,各周期ごとにその基本単数と類数を調べるという観点に基づいている. 5億の範囲の数値データを使って,連分数による類数1の実二次体の無限族の抽出方法を提唱することができた.すなわち,ある種の極小型実二次体の無限族が類数1の体の無限族となることを予想した.これは冨田との共著論文「Continued fractions and Gauss' class number problem for real quadratic fields」としてまとめられ,2012年にTokyoJ.Math.から出版される予定である. さらに目標とするこの極小型実二次体を構成するために,「末尾急増型主要対称部分」および「前末尾急増型主要対称部分」という新しい概念を導入することができた。そして,末尾急増型主要対称部分は前末尾急増型主要対称部分から構成されることが解明された.このように前末尾急増型主要対称部分のメカニズムを究明することが今後の研究課題になる.
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