研究課題/領域番号 |
22540066
|
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
下川 航也 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (60312633)
|
キーワード | DNA / 結び目 / バンド手術 / 交差交換 / トポイソメラーゼ |
研究概要 |
今年度の研究では、埼玉大学のサバティカル制度を利用し、1年間研究のみに専念することが出来た。その結果として下記の結果を得ることが出来、それぞれ論文として公表、および講演を行った。 1.「DNAと結び目理論」というタイトルで論説記事を書き、雑誌「数学」に発表した。 2。DNAに作用する酵素の働きは、バンド手術を用いてモデル化することが出来る。結び目と絡み目の間のバンド手術について、交点数が7交点以下の結び目とトーラス絡み目の間のバンド手術の特徴付けを行った。(Progress of The oretical Physics Supplementに発表) 3.DNAに作用するトポイソメラーゼは交差交換によりDNA結び目を解消している。最近の研究で、その交差交換は、2橋結び目について、+交差から-交差への符号付き交差交換と、-交差から+交差への交差交換の両方で結び目解消される場合の特徴付けを行った。(Progress of The oretical Physics Supplementに発表) 4.slabと呼ばれる2平面間の間にある格子結び目の最少ステップ数の特徴付けを行った。(J.Phys A:Math.Theor.に発表》 5.Xerによる絡み目への作用で結び目が得られる場合の研究を行い、1997年、2007年の実験結果の数学的特徴付けに成功した。(Algebr.GeomTopol.に発表) また、昨年度行った国際会議の報告書をProgress o fThe oretical Physics Supplementより発行した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度は埼玉大学のサバティカル制度を活用することが出来たため、研究に集中することが出来、当初の計画以上の進展が得られた。
|
今後の研究の推進方策 |
有理タングル手術の研究では、当初の予定していた内容に加え、バンド手術の特徴付けにも研究を発展させる。格子結び目に関しては、研究をさらに進めtube状領域の研究を行う。さらに、交差交換の研究を行い、DNAトポイソメラーゼの研究を行い、DNAトポロジーの研究を総合的に行う。
|