研究概要 |
研究代表者の服部は、6月にギリシャで開催された位相数学に関する国際会議に出席した機会を利用して、(同じ会議に出席していた)Vitalij Chatyrko氏と距離空間や位相空間における次元様相に関する本研究の進め方について検討を行った。そして、服部とChatyrkoは、共同で研究を進め、正規空間上の閉写像と帰納的次元(Ind,Ind_0)に関するHurewicz formula:Ind X≦Ind f+Ind Y,ただし,Ind f=sup{Ind f^<-1>(y):y∈Y},の一般化が成り立つことを示した。 服部は連携研究者の立木との共同研究を進めるために京都大学に2回赴き、また、立木が1回島根大学を訪れるなどして、距離空間の形式的球体空間における完備構造について研究を進めた。服部はさらに、分担研究者の山内、連携研究者の松橋と共同で、固有距離空間(proper metric spaces)上の粗いトポロジーにおける次元様相について研究を進めている。特に、山内は、東京大学で開催された粗いトポロジーに関するワークショップに出席し、積極的な情報収集を行った。 また、分担研究者の山内は、Valentin Gutev氏との共同研究で、上半連続なコンパクト値写像が、距離空間への連続写像とその距離空間からの上半連続なコンパクト値写像に因子分解されるための、定義域や集合値関数に関する条件を明らかにした。また、山内はPF正規空間からバナッハ空間への下半連続な凸値関数に対して、その値がすべて同じ次元を持つならば、その集合値関数は連続な選択関数を持つことを示した。これらの成果は、研究論文にまとめ、専門雑誌に投稿中である。
|