研究課題/領域番号 |
22540084
|
研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
服部 泰直 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (20144553)
|
研究分担者 |
山内 貴光 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 講師 (00403444)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 位相次元 / 計算可能性 / 粗いトポロジー / 距離空間 / 位相空間 / 超空間位相 |
研究概要 |
研究代表者の服部が中心となりドメイン理論に現れる位相構造について研究を進めた。特に、(擬)距離空間や準距離空間における形式的球体やドメイン間の写像空間におけるドメイン構造と位相構造の関連について調べた。そして、服部は海外研究協力者のV.Chatyrko(リンショーピン大学)を12月11日~12月22日に島根大学に招へいし、形式的球体におけるMartin位相に関連する実数空間におけるSorgenfrey化位相について共同研究を行い、2010年に服部が提起したいくつかの問題に対する解を得た。また、服部とChatyrkoは相互訪問しながら(上記の他、服部は8月5日~8月12日にリンショーピン大学を訪問、また、Chatyrkoが3月20日~3月30日に京都工芸繊維大学を訪れた際に服部が京都を訪問)本研究全般にわたる研究連絡を密接に行いながら研究を進めてきた。次元様相に関しては、昨年度から継続しているJ.van Mill(アムステルダム自由大学)と服部との共同研究により、ヒルベルト空間の部分空間Kωの超限分離次元がω+1を超えることが示された。Asymptotic次元については服部、山内、松橋が共同で研究を進めた。分担者の山内は、超空間位相と選択関数問題について研究を進め、パラコンパクト空間上の集合値関数を用いて、Dugundjiの拡張定理とMichaelの選択定理の部分的一般化となる線形作用素の存在定理を証明した。服部(研究代表者)は、6月の済州大学(韓国)、9月の南京師範大学(中国)での国際会議、及び、9月の南京大学(中国)での国際ワークショップにおいて招待講演を行い、山内(研究分担者)は愛媛大学、京都大学における研究集会で成果の発表を行うなど、積極的な成果の公開を行った。服部は海外研究者の招へいによる研究連絡、国際会議における情報交換等を行いながら積極的に研究を進めてきた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
トポロジーの計算機科学への応用に関する研究として、距離空間上の形式的球体から成る半順序集合の順序構造から導かれるMartin位相に関連した実数空間におけるSorgenfrey化位相に関するいくつかの問題に解を与えることができた。また、可分距離空間における次元様相に関しては、ヒルベルト空間の部分空間Kωの超限分離次元がω+1を超えることを証明するなど、一定の成果を挙げた。そして、得られた研究成果は、2回の国際会議や国際ワークショップでの発表(招待講演)、4回の国内研究集会での発表を行うなどして公表を行った。以上のことより、概ね順調に研究が進んでいるものと判断する。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究は、概ね順調に進展しているので、これまでの研究で得られた成果を基にして更なる進展を目指すことが適当と判断する。従って、基本的にはこれまでの方針に従って研究を進めていく。
|