研究概要 |
計算可能性理論のトポロジーの応用として, 服部はS-E.Han (全北大学、韓国), V. Chatyrko (Linkoping Univ., Sweden)との共同研究で,デジタル空間の数学モデルであるKhalimsky直線(空間)の位相構造に関して,Khalimsky直線(より一般的にAlexandroff空間)のn個の直積とその部分空間Aにおける分離性(準T_{1/2}性)に関する知見を得るとともに、帰納的次元indに関して,ind A = k (k < n+1) となる必要十分条件等を得た。また,服部とChatyrkoは,距離空間の計算モデルである形式的球体から成る順序集合におけるMartin位相から示唆された実数直線上のSorgenfrey型位相について,Sorgenfrey直線自身と同相となる(同相とならない)いくつかのSorgenfrey型位相を決定した。位相空間の次元様相については服部とChatyrkoが横井,J. van Mill等の協力を得ながら研究を進め,小超限帰納的次元や超限分離次元の概念を統一的に論じる方法を提唱し,関連結果を得るとともに今後の研究の方向性を与えた。研究分担者の山内は,パラコンパクト空間上の集合値関数を用いて,Dugundjiの拡張定理とMichaelの選択定理の部分的一般化となる線形作用素の存在定理を与えるとともに,下半連続な集合値写像が距離空間への連続写像とその距離空間からの下半連続な集合値写像に因子分解されるための条件を明らかにした。9月に服部が主催者の一人として開催した国際会議に,V.Chatyrko, S-E. Han, J. van Mill, A.V.Arhangel'skii, J.Dydak, 立木等が参加し,それぞれが計算可能性理論、粗いトポロジー、次元論等について招待講演を行うとともに研究討議を行った。
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