• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

不規則な構造上の離散パターンに関する統計的推測の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22540159
研究機関関西大学

研究代表者

安芸 重雄  関西大学, システム理工学部, 教授 (90132696)

キーワードグラフィカルモデル / 条件付き確率母関数 / 可換性 / 離散パターン / 隣接リスト / システムの信頼性 / 連続システム / de Finetti測度
研究概要

確率変数列、確率ベクトル列、グラフィカルモデルなどの不規則な構造上に現われる離散パターンや、scanと呼ばれる複数の離散パターンの起こる回数やその待ち時間などの離散確率分布の研究とそれに基づいた統計的推測の研究を行った。
とくに、向きをもたないグラフィカルモデル上で離散パターンが起こる回数の厳密分布についての研究を行った。条件付き確率母関数法を用いるために、頂点に便宜的に番号を付け、各頂点に隣接している頂点のリストから、注目する離散パターンの長さをもった隣接リストを生成し、各リスト中の最大の頂点番号によって隣接リストを分類した。これにより、向きをもったグラフィカルモデルに対して用いたと同様に、向きをもたないグラフィカルモデルに対しても条件付き確率母関数の漸化式を求めることができた。パターンが対称な場合と非対称な場合で扱いは変わるが、どちらの場合にも、離散パターンが起こる回数の厳密分布を導出する方法が得られた。この結果は頂点に対応する確率変数列が独立な場合だけでなく、可換性などの依存性をもったグラフィカルモデルに適用することができる。この結果により、これまで「円周」などの限られたグラフィカルモデルで研究されていた問題が、球面上やトーラス上に頂点をもつような複雑なグラフィカルモデルで扱うことができるようになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初目的にしていた可換性および部分可換性の下での離散パターンの研究が順調に進んでいて,理論的な結果がいくつか得られた.また,その理論を利用した具体的な計算も計算機上で動くようになってきている.また,向きのないグラフィカルモデル上の離散パターンの研究にも成果が得られている.

今後の研究の推進方策

このまま計画通りに研究を進めていきたい.離散確率変数間の依存性のうち,可換性のモデルにおいては理論的な結果が得られたので,当面,このモデルに重点をおいてパターンの生起数やパターンが観測されるまでの待ち時間などの厳密分布の研究に重点をおいて研究を行う.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Distributions of simple patterns in some kinds of exchangeable sequences2011

    • 著者名/発表者名
      Inoue, K., Aki, S. and Hirano, K.
    • 雑誌名

      Journal of Statistical Planning and Inference

      巻: Vol.141 ページ: 2532-2544

    • DOI

      10.1016/j.jspi.2011.02.002

    • 査読あり
  • [学会発表] Exchangeable sequenceに基づいた離散分布モデルと統計的推測2012

    • 著者名/発表者名
      安芸重雄
    • 学会等名
      日本数学会2012年度年会
    • 発表場所
      東京理科大学
    • 年月日
      2012-03-28

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi