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2010 年度 実績報告書

解の初期値に関する連続的依存性に着目した微分方程式系の可解性

研究課題

研究課題/領域番号 22540183
研究機関静岡大学

研究代表者

田中 直樹  静岡大学, 理学部, 教授 (00207119)

研究分担者 清水 扇丈  静岡大学, 理学部, 教授 (50273165)
キーワードsemilinear equation / quasilinear equation / product formula / growth condition / metric-like functional / convex functional / Zakharov equation / discrete semigroup
研究概要

本年度の研究目的は,加藤理論の時間大域的理論への拡張,及び,準線形作用素に支配される離散半群に対する積公式の開発である。1.加藤理論の時間大域的理論への拡張に関する取り組みを述べる。加藤理論は準線形と呼ばれる発展方程式の時間局所的な古典解を求める理論として高名である。本年度は,まず,半線形と呼ばれる発展方程式に焦点を当て,その時間大域的な古典解を求めるための枠組みを提案した。その枠組みの特色は,主部である線形作用素の定義域が考えている空間で稠密とは限らない点,及び,解の低階のエネルギー評価に対応する『近似解に対する増大条件』を課すだけで,解の高階のエネルギー評価を導出でき,そのため,時間大域的な古典解が得られる設定になっている点である。これらの特徴を備えた偏微分方程式として,強い粘性を伴う準線形双曲型偏微分方程式,及び,Zakharov方程式などが挙げられる。これらの方程式の時間大域的可解性の問題へ得られた定理を応用した。2.準線形作用素に支配される離散半群に対する積公式の開発に関する取り組みを述べる。積公式の導出方法としてChernoffの不等式は有名である。その不等式の証明には本質的にノルムの凸性とノルムによる近似作用素の縮小性が利用されている。安定な準線形近似作用素について,それを縮小にするような,基礎空間の直積上で定義される汎関数を構成することができる。そのような汎関数が定義域全体で凸であることは望めないが,応用上,片側凸である場合は少なくない。この性質を利用して,Chernoffタイプの不等式を導出できることが分かってきた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Global solvability for abstract semilinear evolution equations2010

    • 著者名/発表者名
      Hirokazu Oka
    • 雑誌名

      Math.Nachr.

      巻: 283 ページ: 1171-1193

    • 査読あり
  • [学会発表] リプシッツ作用素半群の近似定理2011

    • 著者名/発表者名
      田中直樹
    • 学会等名
      日本数学会年会
    • 発表場所
      早稲田大学(東京都)
    • 年月日
      2011-03-21
  • [学会発表] 半線形放物型方程式に付随するリプシッツ作用素半群に対する積公式2010

    • 著者名/発表者名
      松本敏隆
    • 学会等名
      日本数学会秋季総合分科会
    • 発表場所
      名古屋大学(愛知県)
    • 年月日
      2010-09-25

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公開日: 2012-07-19  

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