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2014 年度 実績報告書

微分力学系の生成的性質の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22540221
研究機関東京大学

研究代表者

林 修平  東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 准教授 (20247208)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2015-03-31
キーワードPalis予想 / 可観測性 / 無限個の沈点
研究実績の概要

前年度終了時に、RIMS研究集会で発表した結果をさらに強くできることが判明していた。そこで当該年度ではまずその部分を証明し論文としてまとめることに前半を費やした。8月に韓国において"Dynamical Systems and Related Topics"が開催されたので、その成果を"A refinement of Mane's C1 generic dichotomy"のタイトルで発表した。論文もその時期に投稿した。
当該研究では、後半にラグランジュ系の生成的性質を研究する予定であったが、前半のPalis予想の研究が遅れたことと、副産物としての可観測沈点の研究が発生したため、さらにこの方向を進めることなった。この可観測沈点は吸引的周期軌道を数値計算的視点からの可観測性に基づいて定義したもので、結果は2次元のC1微分同相写像における非双曲性の領域に無限個の可観測沈点が存在するか、そうでなければ対照的に周期経過後の微分が指数的に増大する方向と縮小する方向を同時に持つという極めて観測しにくい沈点が無限個存在するというものである。カオス的現象において周期点を数値計算により追跡しようという試みが多くなされている中、確率的な可観測性からの完全な可観測性はどのような状況で可能なのかという問題も提起しているため、応用への意義もあると思われる。

後半では、上の研究で得た技術をC2の部分双曲性を持つ領域において適用し中心多様体において比較的大きな吸引領域を持つような周期軌道をC1摂動でつくることを考えた。これはC1摂動後の異次元ヘテロクリニック・サイクルの存在につながるためPalis予想解決への重要なステップである。このC2級微分同相写像のC1摂動によるClosing Lemma はC2級由来の性質をある程度保存しながら良い周期軌道をつくるものであり、一部を論文にまとめて投稿した。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] A C2 generic trichotomy for diffeomorphisms: hyperbolicity or zero Lyapunov exponents or the C1 creation of homoclinic bifurcations2014

    • 著者名/発表者名
      Shuhei HAYASHI
    • 雑誌名

      Transactions of the American Mathematical Society

      巻: 366 ページ: 5613-5651

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.1090/S0002-9947-2014-06425-8

    • 査読あり
  • [学会発表] A refinement of Mane's C1 generic dichotomy2014

    • 著者名/発表者名
      Shuhei HAYASHI
    • 学会等名
      Dynamical Systems and Related Topics
    • 発表場所
      Chungnam National University, Daejeon, Korea
    • 年月日
      2014-08-08
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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