環境制御透過電子顕微鏡法(E-TEM)と位相差電子顕微鏡法(P-TEM)を記見合わせた方法を開発した。この方法は、液体中にある生体高分子の分子レベルでの構造観察を可能にしてくれる。本研究では、この方法により染色していない、液中にある生体高分子である。ミオシン分子を10nm分解能で直接観察することに成功した。試料周りの溶液層の厚みが厚くなると、電子の干渉性が低下し、像コントラストが低下することが、実験的にも計算でも確認された。 より高い分解能を実現するため、新しいwetcellを開発した。樹脂をスペーサーとして用いることで水膜厚さをある程度制御する構造となっている。像質は、ガスフロータイプのwet-cellに比べて向上し、DNA試料を2nm以下の分解能で観察することに成功した。
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