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2010 年度 実績報告書

表面拡散による形態変化を利用したシリコン表面における三次元微細構造形成

研究課題

研究課題/領域番号 22560023
研究機関大阪大学

研究代表者

須藤 孝一  大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (90314426)

研究分担者 内藤 宗幸  甲南大学, 理工学部, 講師 (10397721)
キーワードシリコン / 表面拡散 / 微細構造 / 高温アニール
研究概要

高アスペクト比微細パターンを高温アニールした時に起こる自発的な変形を利用してシリコン基板上に様々な三次元構造を形成するプロセスを確立することを目指して研究を進めた。今年度は、特に、所望の三次元構造を形成するための初期微細パターンの設計指針を得ることを目的として、様々な高アスペクト比微細構造を形成したシリコン基板を準備し、変形様式の初期構造依存性について詳細に調べた。特に重要な結果として、高アスペクト比円形ホールの変形において、初期構造のナスペクト比が8以上になると、開口部が閉塞することによって形成された空洞が、その後の変形で上下に分裂することが分かった。また、シリコン基板上に形成された円柱や壁のような微小構造体の変形では、構造体の根元部分での変形が早く、構造体の寸法が数100nm程度まで微細になると、構造体が変形によって基板から切り離されてしまうことが分かった。さらに、Mullinsの理論に基づいた変形過程の数値シミュレーションを行い、実験で観察された変形過程が、表面拡散による変形として理解できることを明らかにした。この結果より、任意の微細パターンの変形過程を、数値シミュレーションで予測することが可能となった。
さらに、高アスペクト比微細ホールパターンを用いて、圧力センサーのダイヤフラムとして利用できる、厚さ2~3ミクロン、直径200ミクロンのシリコンメンブレンを作製することに成功した。微細ホールを配置する領域の形状等を適切に設計することによって、所望の形状・寸法のメンブレンが作製できることを明らかにした。
今後は、片持ち梁や両持ち梁のような、より複雑な3次元構造を形成するための初期パターンを数値シミュレーションによって探索し、実際にこれらの3次元構造が表面拡散による自発的変形によって形成できることを実証してゆく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Aspect ratio dependence in evolution of hole arrays by surface diffusion on Si(001)2010

    • 著者名/発表者名
      須藤孝一
    • 学会等名
      2010 MRS Fall Meeting
    • 発表場所
      Boston (USA)
    • 年月日
      2010-11-29
  • [学会発表] シリコン基板上ホール配列の高温アニールによる形態変化の初期構造依存性2010

    • 著者名/発表者名
      須藤孝一
    • 学会等名
      第71回応用物理学会学術講演会
    • 発表場所
      長崎大学(長崎市)
    • 年月日
      2010-09-16

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公開日: 2012-07-19  

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