研究概要 |
平成23年度実施計画(1)はロボメカ・デザインコンペでのグループワークの様子を収録したビデオにおいて,視線および視界を基に分析するとともに,ロボメカ・デザインコンペ応募作品に結果をフィードバックした.成果は2011年12月に約2週間にわたって一般公開展示(福岡県福岡市ロボットスクエアおよび福岡県福岡市TNC会館)された.しかし,視覚効果は聴覚ほど得られなかった.このことから,範囲が限定され注視点が限られる視覚情報よりも,聴覚情報がプレゼンス(存在感)への寄与度が高いことが分かった.実施計画(2)は,赤外光を利用した空間位置情報計測装置を用いて計測を行い,その成果を日本音響学会九州支部「学生のための発表会」および日本音響学会2012年春季研究発表会にて研究発表を行っている.実施計画(3)は,立体映像再生装置において(2)の計測結果を始めとする再構築を行った.その結果,奥行き方向は再構築できるもののプレゼンス(存在感)を感じるにはいたりづらいことが分かった.これは(1)の結果とも符合している.実施計画(4)は,(2)の計測データを伝送対象とするならば,従来の画像伝送を一部拡張することで可能であることを確認した.実施計画(5)は(3)での結果から検討が必要であり,平成22年度結果による補完を検討しており,その可能性を示す成果を日本音響学会2011年秋季研究発表会,日本騒音制御工学会,電子情報通信学会研究会,日本音響学会2012年春季研究発表会等の学会にて研究発表を行っている.
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今後の研究の推進方策 |
人の知覚において視覚・聴覚が支配的であるとし,プレゼンス(存在感)を感じるテレコミュニケーションのための信号処理構築に取組んでいる.当初視覚情報の情報量が多いこともあり支配的であると考えていたが,両者の調査を行った結果,聴覚情報に不可欠な情報が含まれていると判断せざるを得ない結果が得られている.一方,聴覚情報の計測および再構築用のツールは,本研究が目指しているプレゼンス(存在感)を計測および再構築に必要なものが極めて少ない状況である.そこで,研究計画の一部を変更し,ここで得られた成果を製品等に展開するために必要不可欠な基礎データおよびそのツール開発とすることで,研究目的を達成することを予定している.
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