研究課題/領域番号 |
22560585
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
井上 義雄 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60203262)
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研究分担者 |
近藤 明 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20215445)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | アスベスト / 繊維状物質 / 画像処理 / 自動計測 / 位相差顕微鏡 / 偏光 / ニューラルネットワーク |
研究概要 |
現在の日本においては、大気中に浮遊するアスベスト繊維濃度測定の自動化への期待は大きく、実用的な自動測定法の構築は急務の課題である。従来のアスベスト繊維濃度測定法は人的操作が多く、測定結果の客観性・再現性等の諸問題が指摘されている。これに代わる測定法は未だ開発されていないため、ヒトの脳神経細胞の伝達機能をモデル化したニューラルネットワーク(N-N)・アルゴリズムと画像処理手法を用いたアスベスト繊維の自動計数システムを構築することを本研究の目的とした。 本研究では、大気中の浮遊アスベストを対象とした繊維数濃度自動測定システムを構築した。本システムは、画像解析とN-Nの手法を用いて、アスベスト繊維と非アスベスト繊維を区別する。N-Nの入力情報としての特徴は、対象物の「長さ」、「幅」、「平均曲率」など幾何学的特徴に関する7種、「輝度の分散」など光学的特徴に関する3種、「消光角」など偏光特性に関する2種類の計12種を採用した。また、N-Nは教師あり3階層で構築し、バックプロパゲーション(BP:Back Propagation)法により学習を行った。なお、教師信号として、熟練計測者の判定結果を用いた。 その結果、従来法では、形がよく似たアモサイトとガラス繊維を区別することは困難であったが、本システムによって高い信頼性で区別することができた。 本システムの特徴は、1)できるだけ従来法(PCM法による目視計数)の計数方法に沿ったアルゴリズムとし、長きにわたり蓄積されてきた疫学データの継続性を損なわないこと、2)コンピュータを用いた客観計測であり、人的負荷の軽減や計測値の再現性に優れていること、3)N-N法を採用したことにより、熟練計測者の「コツ・ワザ」を石綿判定に導入したこと、が挙げられる。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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