琉球列島の沖縄島、南大東島において、ゲットウ (ショウガ科)の開花フェノロジー、花蜜分泌パターン、送粉者の調査をおこない、送粉システムにおける両掛け戦略仮説を検証した。その結果、1)ゲットウの蜜分泌が朝と夕方の二回ピークを持つことに加え、夜に糖濃度の低い蜜を多量に分泌する傾向が見られること、2)昼間に行動するハナバチ類の他、夜間を中心に行動するスズメガ科の5種を含む多様な昆虫が花粉を媒介する可能性があること、3)ゲットウの匂い成分の中にはlinaloolが多量に含まれており、このことが夜行性のスズメガ類の誘因と関係していると思われること、などを明らかにした。
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