研究課題/領域番号 |
22580106
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
遠藤 剛 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (90201962)
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キーワード | NDH / 葉緑体 / 循環的電子伝達 / 光合成 |
研究概要 |
本研究では、葉緑体NDH複合体の分子実体の解明に焦点を絞り、バイオインフォマティクスと生化学を融合した独自の手法により未知のサブユニットを同定し、複合体全体の構造解明を目指す。 (1)新規サブユニットの同定 共発現解析および系統プロファイリングという2つのバイオインフォマティクス・スクリーニングを改変、発展させることにより更なるNDHサブユニットの探索を行っている。 (2)電子受容体サブユニットの同定 2-a)点変異NDF4導入シロイヌナズナの作出 まずNDF4の構造をたもちつつFe-Sクラスターとの結合活性を失った点変異導入に関する類似タンパク質に関する先攻研究を参考にして点変異導入位置を決定して、形質転換植物を作成した。 2-b)NDF4とCRR1との相互作用の検証 BN-PAGEとイムノブロット解析の組み合わせにより両者の相互作用を検証する。NDF4については抗体を作成し、ウエスタン解析に利用可能な特異性をもつことを明らかにした。また、平行して、葉緑体の祖先である、シアノバクテリアのNDF4およびCRR1ホモログをノックアウトした株を作成した。変異株の解析によりCRR1は電子受容体NADPHと結合するサブユニットである可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
NDH構造解析のなかで最も重要な電子受容体結合サブユニットCRR1の解析がおおむね成功した点において、今年度は、時本質的な研究の進展がみられたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
NADPH結合サブユニットCRR1の解析を終了して論文として発表することを最大の目標とする。鉄硫黄センターを含む新規サブユニットNDF4の解析も目処をつけたい。また新規サブユニットの同定は、これまで同様にシステマティックに進めたい。
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