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2010 年度 実績報告書

黄色ブドウ球菌感染症の新規治療法開発をめざした病原性因子の複合的機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 22590402
研究機関順天堂大学

研究代表者

馬場 理  順天堂大学, 医学研究科, 准教授 (30317458)

キーワード黄色ブドウ球菌 / 病原性 / ケラチノサイト / 病原性アイランド / MHC / TSLP / 好中球
研究概要

平成22年度の研究計画では当該年度に、黄色ブドウ球菌ゲノム情報に基づいて病原性に関与すると考えられる遺伝子群の欠損変異株の作製を予定していたが、計画に基づき研究を行い、以降の実験に供するべき準備を進めた。具体的には、黄色ブドウ球菌の染色体上にしか存在しない2つの病原性アイランドνSaα・νSaβ、及びその両欠損変異株に加え、それぞれのゲノムアイランド中でクラスターを形成する病原性が疑われる遺伝子群や、機能未知の遺伝子群などの部分的欠損変異株も作製した。さらに、ヒト免疫反応に関与すると考えられるMHC類似タンパク質をコードする複数の遺伝子の欠損変異株等も準備した。
平成22年度は準備期間のため、多くの成果を発表する機会はないものと思われていたが、これらの欠損変異株を用い、実際に培養細胞系への感染実験を行った。作製した欠損変異の効果はまだ検討が必要があるものの、一連の研究で用いている強毒性黄色ブドウ球菌MW2株をヒト皮膚角化細胞(ケラチノサイト)へ黄色ブドウ球菌を作用させると、アトピー性皮膚炎増悪に深く関わると想定されるTSLPの分泌が増大することが明らかとなったたけ報告した。また、MHC様遺伝子欠損変異株を用いた実験では、同遺伝子がヒト好中球の貪食を抑制することなどを明らかにし、その結果に関しても報告することができた。
上記のように、黄色ブドウ球菌の遺伝子には、ヒトの細胞に対し、未だ未知の機能をもつものが多くあると考えられ、研究計画を進めるに従い、次々と新たな発見があるものと期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 黄色ブドウ球菌MHC様分子が貪食などの宿主免疫系に及ぼす影響について(MHC analogues found in Staphylococcus aureus affect phagocytosis and other immune responses by human white-blood cells)2011

    • 著者名/発表者名
      関根美和・馬場理・片山由
    • 雑誌名

      順天堂医学

      巻: (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Staphylococcus aureus membrane and diacylated lipopeptide induce thymic stromal lymphopoietin in keratinocytes through the Toll-like receptor 2-Toll-like receptor 6 pathway.2010

    • 著者名/発表者名
      Anh Tuan Vu, Tadashi Baba, Xue Chen, Tuan Anh Le, Hirokazu Kinoshita, Yang Xie, Seiji Kamijo, Keiichi Hiramatsu, Shigaku Ikeda, Hideoki Ogawa, Ko Okumura, Toshiro Takai.
    • 雑誌名

      J.allergy clin immunol

      巻: 126 ページ: 985-93

    • 査読あり
  • [学会発表]2010

    • 学会等名
      日本細菌学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2010-03-27

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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