アルコールによる血小板機能抑制機序の詳細は不明である。本研究では、血小板の容量性Ca2+流入(CCE:capacitativecalciumentry)およびジアセルグリセロール(DG)依存性のCa2+流入および凝集におよぼすエタノール及びメタノールの影響について検討した。エタノールによる血小板凝集抑制作用は刺激の種類によらず非特異的に認められ、SFP変法による全血凝集においても同様の結果が得られた。一方、エタノールはCCE及びDG依存性Ca2+流入へは相反する作用を示し、トロンビンによる生理的血小板活性化機構へのエタノールの作用にはこれら両者が関与することが示唆された。一方、メタノールはCCE及びDG依存性Ca2+流入、thrombin刺激時のCa2+流入のいずれにおいても影響を及ぼさなかった。しかしながら、メタノール添加によりthrombin刺激による血小板凝集は有意に亢進した。
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