研究課題/領域番号 |
22590890
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北村 温美 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60570356)
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研究分担者 |
猪阪 善隆 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00379166)
高畠 義嗣 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30403075)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | オートファジー / シスプラチン / タンパク凝集体 / 虚血再還流 / クロロキン / シクロスポリン / 代謝ストレス |
研究概要 |
① 平成22年度にマウスに腎虚血再灌流負荷をかけると、オートファジー不全下でp62陽性・ユビキチン陽性のタンパク凝集体が形成されることを見出した。このタンパク凝集体には細胞が虚血ストレス下で隔離して無毒化している物質が含まれていると推測した。虚血再灌流負荷を施した腎尿細管細胞特異的オートファジー不全マウスの腎臓の切片を未固定化下でp62抗体にて染色し、陽性に染まる部分をレーザーマクロダイセクションにて切り出し質量分析を用いて解析する方針で、現在必要な機器を準備中である。 ② 前年度においてオートファジーがシスプラチン腎症において腎尿細管内のミトコンドリア傷害を軽減することによって防御的に機能していることを見出し報告した。現在特に海外において悪性腫瘍の治療の際、抗がん剤(特に白金製剤)に加えてオートファジー阻害剤(クロロキンなど)を投与する試みがなされている。これはがん細胞がオートファジーを利用して生存をはかるメカニズムを遮断する狙いがある。我々は動物実験の結果からこの併用により腎障害をきたしうると考え、警鐘を鳴らす目的でCancer Research誌に報告した。 ③ 本年度はシクロスポリン腎症におけるオートファジーの役割についても検討した。シクロスポリンを投与するとオートファジー不全下では、虚血再灌流負荷やシスプラチン投与下と同様に腎障害が悪化することが判明した。そのメカニズムを探索する過程で、シクロスポリン投与下ではアミノ酸の消費の亢進、細胞内エネルギー不足が生じており、オートファジーがにそれらに対して防御的に機能(つまり細胞適応)していることがわかってきた。現在われわれはシクロスポリン負荷を代謝ストレスととらえ、オートファジーがそれを軽減すべく機能しているという観点から解析しようと計画中である。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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