時間・代謝制御に基づく腎蔵病および高血圧の治療戦略

2012 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 22590915
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 腎臓内科学
• 研究機関: 慶應義塾大学
• 研究代表者: 林 晃一 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (80164937)
• 研究分担者: 脇野 修 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (50265823) ; 徳山 博文 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (50276250)
• 研究期間 (年度): 2010 – 2012
• キーワード: 慢性腎臓病 / 高血圧 / 長寿遺伝子 / Sirt

研究概要

腎エネルギー代謝の観点から、Sirt1を近位尿細管で過剰発現するマウスを作成したところ、シスプラチンによる腎障害が抑制され、酸化ストレスやミトコンドリアストレスのマーカーが抑制された。ストレプトゾシン誘発性糖尿病性腎症の発症において、近位尿細管のSirt1発現低下が起こり、それに伴い糸球体上皮におけるclaudin-1の発現増加ならびに蛋白尿が出現した。一方、近位尿細管にSirt1を過剰発現させたマウスに、ストレプトゾシン誘発性糖尿病を作製すると、糸球体上皮におけるSirt1の発現は維持され、それに伴いclaudin-1発現亢進の抑制ならびに蛋白尿が抑制され、近位尿細管から糸球体へのシグナル機構の存在が示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] The hydrolase DDAH2 enhances pancreatic insulin secretion by transcriptional regulation of secretagogin through a Sirt1-dependent mechanism in mice. (2013)
  • 著者名/発表者名: Hasegawa K, Wakino S, Kimoto M, Minakuchi H, Fujimura K, Hosoya K, Komatsu M, Kaneko Y, Kanda T, Tokuyama H, Hayashi K, Itoh H
  • 雑誌名: FASEB Journal 巻: (in press)
  • 査読あり
• [雑誌論文] Role of mineralocorticoid receptor/Rho/ Rho-kinase pathway in obesity-related renal injury. (2012)
  • 著者名/発表者名: Tokuyama H, Wakino S, Hara Y, Washida N, Fujimura K, Hosoya K, Yoshioka K, Hasegawa K, Minakuchi H, Homma K, Hayashi K, Itoh H
  • 雑誌名: International Journal of Obesity Research 巻: 36(8) ページ: 1062-1071
  • 査読あり
• [雑誌論文] ROCK阻害薬はFOXO3a活性を上昇させ血管内皮細胞の増殖、遊走、酸化ストレス耐性能を低下させる (2012)
  • 著者名/発表者名: 本間康一郎、脇野 修、林 晃一、堀 進吾、伊藤 裕
  • 雑誌名: 未病と抗老化 巻: 21(6) ページ: 86-89
• [雑誌論文] Triglyceride-rich lipoproteins in chronic kidney disease patients undergoing maintenance hemodialysis treatment. (2012)
  • 著者名/発表者名: Homma K, Homma Y, Yamaguchi S, Shiina S, Wakino S, Hayashi K, Itoh H
  • 雑誌名: International Journal of Clinical Practice 巻: 66(4) ページ: 394-398
  • 査読あり
• [雑誌論文] Rho-kinase inhibition ameliorates peritoneal fibrosis and angiogenesis in a rat model of peritoneal sclerosis. (2011)
  • 著者名/発表者名: Washida N, Wakino S, Tonozuka Y, Homma K, Tokuyama H, Hara Y, Hasegawa K, Minakuchi H, Fujimura K, Hosoya K, Hayashi K, Itoh H
  • 雑誌名: Nephrology Dialysis &Transplantation 巻: 26 (9) ページ: 2770-2779
  • 査読あり
• [雑誌論文] L-/T-type Ca channel blockers for kidney protection: ready for sophisticated use of Ca channel blockers. (2011)
  • 著者名/発表者名: Hayashi K
  • 雑誌名: Hypertension Research 巻: 34(8) ページ: 910-912
  • 査読あり
• [雑誌論文] Rho and Rho-kinase activation in adipocytes contributes to a vicious cycle in obesity that may involve mechanical stretch. (2011)
  • 著者名/発表者名: Hara Y, Wakino S, Tanabe y, Saito M, Tokuyama H, Washida N, Tatematsu S, Yoshioka K, Homma K, Hasegawa K, Minakuchi H, Fujimura K, Hosoya K, Hayashi K, Nakayama K, Itoh H
  • 雑誌名: Science Signaling 巻: 4(157) ページ: ra3
  • 査読あり
• [雑誌論文] JATOSサブ解析 (2011)
  • 著者名/発表者名: 林 晃一
  • 雑誌名: 循環器内科 巻: 70(4) ページ: 400-406
• [雑誌論文] CKDの病態とその管理の実際 (2011)
  • 著者名/発表者名: 林 晃一
  • 雑誌名: 内科 巻: 107(2) ページ: 203-209
• [雑誌論文] 腎微小循環とCaチャネルサブタイプ (2011)
  • 著者名/発表者名: 本間康一郎、林 晃一、菅野直希、山口慎太郎、脇野 修、堀進吾、伊藤裕
  • 雑誌名: 脈管学 巻: 51(1) ページ: 133-138
• [雑誌論文] 慢性腎臓病とレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系 (2011)
  • 著者名/発表者名: 林 晃一
  • 雑誌名: 循環器内科 巻: 69(1) ページ: 68-74
• [雑誌論文] Impact of renal function on cardiovascular events in elderly hypertensive patients treated with efonidipine. (2010)
  • 著者名/発表者名: Hayashi K, Saruta T, Goto Y, Ishii M
  • 雑誌名: Hypertension Research 巻: 33(11) ページ: 1211-1220
  • 査読あり
• [雑誌論文] T-type Ca channel blockade as a determinant of kidney protection. (2010)
  • 著者名/発表者名: Hayashi K, Homma K, Wakino S, Tokuyama H, Sugano N, Saruta T, Itoh H
  • 雑誌名: The Keio Journal of Medicine 巻: 59 (3) ページ: 84-95
  • 査読あり
• [雑誌論文] Kidney-specific overexpression of Sirt1 protects against acute kidney injury by retaining peroxisome function. (2010)
  • 著者名/発表者名: Hasegawa K, Wakino S, Yoshioka K, Tatematsu S, Hara Y, Minakuchi H, Sueyasu K, Washida N, Tokuyama H, Tzukerman M, Skorecki K, Hayashi K, Itoh H
  • 雑誌名: Journal of Biological Chemistry 巻: 285(17) ページ: 13045-13056
  • 査読あり
• [雑誌論文] Brachial-ankle pulse wave velocity predicts silent cerebrovascular diseases in patients with end-stage renal diseases. (2010)
  • 著者名/発表者名: Washida N, Wakino S, Hayashi K, Kuwahara T, Itoh H
  • 雑誌名: Journal of Atherosclerosis & Thrombosis 巻: 17(2) ページ: 165-172
  • 査読あり
• [雑誌論文] カルシウム拮抗薬-Caチャネルサブタイプと腎保護作用 (2010)
  • 著者名/発表者名: 林 晃一
  • 雑誌名: Therapeutic Research 巻: 31(9) ページ: 1271-1277
• [雑誌論文] カルシウム拮抗薬 (2010)
  • 著者名/発表者名: 林 晃一
  • 雑誌名: Life style Medicine 巻: 4(4) ページ: 61-66
• [雑誌論文] 高齢者腎疾患と高血圧(腎硬化症を含む) (2010)
  • 著者名/発表者名: 林 晃一、脇野 修、徳山 博文
  • 雑誌名: Geriatric Medicine 巻: 48 (8) ページ: 1041-1045
• [学会発表] 肥満関連腎症における脂肪腎臓連関の病態生理の解明 (2012)
  • 著者名/発表者名: 徳山 博文、脇野 修、神田武志、鷲田直輝、長谷川一宏、水口 斉、藤村慶子、本間康一郎、林 晃一、伊藤裕
  • 学会等名: 第16回日本心血管内分泌代謝学会総会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2012-11-23
• [学会発表] アンジオテンシンIIによる腎障害に対するGhrelinの腎保護効果 (2012)
  • 著者名/発表者名: 脇野 修、藤村慶子、水口 斉、長谷川一宏、徳山 博文、林 晃一、伊藤 裕
  • 学会等名: 第35回日本高血圧学会総会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2012-09-20
• [学会発表] Ca拮抗薬の薬剤間差-T型、L型、N型Ca拮抗薬の腎保護作用- (2012)
  • 著者名/発表者名: 林 晃一
  • 学会等名: 第35回日本高血圧学会総会、シンポジウム
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 2012-09-20
• [学会発表] 近位尿細管Sirt1はペルオキシソームストレスを抑制する-Conditional Tg, KOマウスの解析- (2012)
  • 著者名/発表者名: 長谷川一宏、脇野 修、林 晃一、伊藤裕
  • 学会等名: 第55回日本腎臓学会総会、シンポジウム
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2012-06-02
• [学会発表] アンジオテンシンIIによる腎障害に対するGhrelinの腎保護効果 (2012)
  • 著者名/発表者名: 藤村慶子、脇野 修、林 晃一、伊藤裕
  • 学会等名: 第55回日本腎臓学会総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2012-06-01
• [学会発表] Sirt1は、Dnmt1を介したepigenetic制御で、糖尿病性腎症のclaudin-1 CpGメチル化を促進し、アルブミン尿を低下させる (2012)
  • 著者名/発表者名: 長谷川一宏、脇野 修、林 晃一、伊藤裕
  • 学会等名: 第55回日本腎臓学会総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2012-06-01
• [学会発表] 尿細管特異的Sirt1欠損マウスは、液性因子NMN低下を介し糖尿病性腎症のアルブミン尿が増悪する- (2012)
  • 著者名/発表者名: 長谷川一宏、脇野 修、林 晃一、伊藤裕
  • 学会等名: 第55回日本腎臓学会総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2012-06-01
• [学会発表] 尿細管特異的Sirt1過剰発現マウスを用いた腎障害発症機序についての解析。 (2011)
  • 著者名/発表者名: 脇野 修、長谷川一宏、坂巻祐介、久保田英司、林 晃一、伊藤 裕
  • 学会等名: 第34回日本高血圧学会総会、高血圧関連疾患モデル学会合同シンポジウム
  • 発表場所: 宇都宮
  • 年月日: 2011-10-22
• [学会発表] アンジオテンシンIIによる腎老化作用に対するGhrelinの腎保護効果 (2011)
  • 著者名/発表者名: 藤村慶子、脇野 修、水口 斉、長谷川一宏、徳山 博文、林 晃一、伊藤裕
  • 学会等名: 第34回日本高血圧学会総会
  • 発表場所: 宇都宮
  • 年月日: 2011-10-22
• [学会発表] 肥満関連腎症における脂肪腎臓連関の病態生理の解明 (2011)
  • 著者名/発表者名: 徳山 博文、脇野 修、神田武志、鷲田直輝、長谷川一宏、水口 斉、藤村慶子、本間康一郎、林 晃一、伊藤裕
  • 学会等名: 第34回日本高血圧学会総会
  • 発表場所: 宇都宮
  • 年月日: 2011-10-22
• [学会発表] 超音波パルスドプラーによる腎動脈血流速度と腎臓内血管抵抗の臨床的意義についての検討 (2011)
  • 著者名/発表者名: 藤村慶子、脇野 修、林 晃一、伊藤裕
  • 学会等名: 第54回日本腎臓学会総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2011-06-16
• [学会発表] アンジオテンシンIIによる腎老化作用に対するGhrelinの腎保護効果 (2011)
  • 著者名/発表者名: 藤村慶子、脇野 修、林 晃一、伊藤裕
  • 学会等名: 第54回日本腎臓学会総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2011-06-15
• [学会発表] 尿細管Sirt1過剰発現マウスは、糖尿病性腎症のclaudin-1異所性高発現を改善し、アルブミン尿を低下させる (2011)
  • 著者名/発表者名: 長谷川一宏、脇野 修、林 晃一、伊藤裕
  • 学会等名: 第54回日本腎臓学会総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2011-06-15
• [学会発表] アルドステロン(Ald)/Rho/Rhoキナーゼ経路の肥満関連腎症における役割 (2010)
  • 著者名/発表者名: 徳山 博文、脇野 修、原 義和、鷲田 直樹、長谷川 一宏、水口 斉、藤村 慶子、本間 康一郎、林晃一、伊藤 裕
  • 学会等名: 第33回日本高血圧学会総会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2010-10-17
• [学会発表] 長寿遺伝子Sirt1近位尿細管特異的過剰発現マウスはペルオキシダーゼを保護し、急性腎障害を抑制する (2010)
  • 著者名/発表者名: 長谷川一宏、脇野 修、林 晃一、伊藤裕
  • 学会等名: 第53回日本腎臓学会総会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2010-06-16
• [図書] 血圧・血行力学関連、ADMA。動脈硬化症の新しい診断・治療標的。倉林正彦監修、山岸昌一編集 (2012)
  • 著者名/発表者名: 長谷川一宏、脇野 修、林 晃一、伊藤裕
  • 総ページ数: 115-130
  • 出版者: メディカルレビュー社
• [図書] CKDステージとCa拮抗薬の使い分け。降圧薬-俺流処方。伊藤 裕編集 (2011)
  • 著者名/発表者名: 林 晃一
  • 総ページ数: 93-98
  • 出版者: 南山堂
• [図書] 輸入・輸出細動脈。高血圧ナビゲーター(第3版)、熊谷裕生、小室一成、堀内正嗣、森下竜一 編 (2011)
  • 著者名/発表者名: 林 晃一
  • 総ページ数: 130-131
  • 出版者: メディカルレビュー社
• [図書] 第VII章、高血圧のoptimalmedical treatment-Ca拮抗薬の機序とその位置づけ。成功に導くPCI治療戦略。中村正人、編集 (2011)
  • 著者名/発表者名: 林 晃一
  • 総ページ数: 193-196