ＤＣ脳電位の生理機能の解明と精神疾患治療への応用

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 22591308
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 精神神経科学
• 研究機関: 公益財団法人東京都医学総合研究所
• 研究代表者: 榛葉 俊一 公益財団法人東京都医学総合研究所, 認知症・高次脳機能研究分野, 研究員 (80175398)
• 研究期間 (年度): 2010-04-01 – 2014-03-31
• キーワード: DC電位 / 覚醒 / 注意 / 意欲 / ラット / 精神疾患 / slow potential

研究概要

脳内の緩徐な電位変化であるDC電位が担う働きについて、主として覚醒機能との関連について、動物実験と臨床的知見をもとに分析した。
その結果、DC電位は、運動、注意、意欲などの心身の機能との関連で、覚醒レベルの変化に伴い変動することが示唆された。DC電位は覚醒状態の指標となり、神経発火や脳波のAC成分に加え、脳機能を電気生理学的に理解する上で有用である。
さらに、DC刺激により誘発電位や心拍変動指標の変化が引き起こされ、DC電位の臨床利用の有用性が示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] Altered autonomic activity and reactivity in depression revealed by heart-rate variability measurement during rest and task conditions (2014)
  • 著者名/発表者名: Shinba T
  • 雑誌名: Psychiatry and Clinical Neurosciences 巻: 68 ページ: 225-233
  • 査読あり
• [雑誌論文] Psychiatric symptoms of noradrenergic dysfunction : A pathophysiological view (2014)
  • 著者名/発表者名: Yamamoto K, Shinba T, Yoshii M
  • 雑誌名: Psychiatry and Clinical Neurosciences 巻: 68 ページ: 1-20
  • 査読あり
• [雑誌論文] 慢性疼痛に対する電界治療の有効性:明確な基礎疾患を有しない症例におけるパイロットスタディ (2012)
  • 著者名/発表者名: 榛葉俊一、高橋国人、兼高里美、根立隆樹、山根木正人、道解冬樹、堀卓也、原川信二、三木正晴、原浩之、鈴木宏志、原昭邦
  • 雑誌名: 日本統合医療学会誌 巻: 5 ページ: 68-72
  • 査読あり
• [雑誌論文] Delayed increase of brain noradrenaline after acute footshock stress in rats (2010)
  • 著者名/発表者名: Shinba T, Ozawa N, Yoshii M, Yamamoto K
  • 雑誌名: Neurochemical Research 巻: 35 ページ: 412-417
  • 査読あり
• [学会発表] 意欲と皮質DC電位との関連:脳内自己刺激を用いた電気生理学的研究 (2011)
  • 著者名/発表者名: 榛葉俊一、高橋幸利、堀米ゆみ、星詳子
  • 学会等名: 第34回日本神経科学大会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2011-09-16
• [学会発表] ラット脳DC電位の24時間変動 (2010)
  • 著者名/発表者名: 榛葉俊一、星詳子
  • 学会等名: 第33回日本神経科学大会
  • 発表場所: 神戸
  • 年月日: 2010-09-02