研究課題/領域番号 |
22591332
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
小西 淳也 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (40403290)
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研究分担者 |
藤井 正彦 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (00228959)
杉村 和朗 神戸大学, 医学研究科, 教授 (00136384)
菱本 明豊 神戸大学, 医学研究科, 講師 (50529526)
大野 良治 神戸大学, 医学研究科, 特命准教授 (30324924)
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キーワード | 拡散テンソル画像 / 3テスラMRI / 統合失調症 |
研究概要 |
本研究では、多軸拡散テンソル画像(High-angular diffusion tensor imaging: 以下多軸DTI)と形態計測(voxel-based morphometry:以下VBM)を用い、統合失調症における神経線維連絡の異常と脳容積変化を解析し、疾患の評価方法として臨床的に利用可能かどうかを検討することを目的としている。 前年度に、健常人ボランティア10名に対してMRI画像データの収集を行った。このデータをもとに研究手法の検証を行い、撮像条件や画像解析手法を確立させた。今年度は健常人ボランティアと統合失調症患者の撮像を行い、健常人17名、統合失調症患者30名の画像データを得た。このデータをもとに多軸DTIおよびVBM解析を行い、群間の差異を検証中である。検証項目として、統合失調患者では健常人と比べどの領域に容量低下が存在するのかを見いだすことと、この領域と他の領域との間の線維連絡に異常があるのかを主な目的としている。多軸DTIによる神経線維連絡の解析には画像解析処理ソフトウェア(IDL上で作動するPhilips社製PRIDE)およびオックスフォード大学のFMRIB Analysis Groupが開発したFMRIB Software Library(FSL)を用い解析を行っている。 また今年度は、対象となる統合失調症患者に対して、PANSS(Positive and Negative Syndrome Scale)陽性・陰性症状評価尺度などの臨床的機能評価も行っており、画像データとの相関性を検証中である。 今年度は、引き続き健常人ボランティアおよび統合失調症患者の撮像を行うともに、統合失調症患者における画像変化を解析する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
健常人の画像データを30人分予定しているが、現在17名分とやや遅れている。来年度には予定数の到達する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は得られた画像データを画像解析処理ソフトウェアを用いて解析を行うことに重点をおく。本研究では、通常の画像では正常と判定される統合失調症において、画像上の変化の有無を調べることである。そのため微細な変化を多角的に検証する必要がある。そのため、画像データを数種類の専用ソフトを用いて解析し、テンソル画像や多軸テンソル画像、容積解析、線維連絡解析などを行い検証していく。またPANSS(Positive and Negative Syndrome Scale)陽性・陰性症状評価尺度などの臨床的機能評価との相関性も検討し、得られた結果を検証し研究結果の発表と研究論文の作成、海外雑誌への投稿を行う。
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