研究分担者 |
荒尾 信一 川崎医療短期大学, 放射線技術科, 准教授 (40212609)
天野 貴司 川崎医療短期大学, 放射線技術科, 准教授 (90249558)
成廣 直正 川崎医療短期大学, 放射線技術科, 講師 (20508965)
柳元 真一 川崎医療短期大学, 放射線技術科, 講師 (40508967)
松田 英治 川崎医療短期大学, 放射線技術科, 講師 (30508966)
渡部 茂 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20368640)
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研究概要 |
我々が開発した散乱角度サブトラクション法の、サブトラクションの対象となる散乱角度や、画像ごとに掛け合わせる重みなどのパラメータの設定を論理的に求めるための方法論を構築し、本法における石灰化像の描出のための画像処理の手法を開発した。まず、散乱体(Ca、脂肪)に管電圧(100kV,80kV,60kV)のペンシルビームを入射させて得られたX線強度分布に、最終的に散乱線角度サブトラクションで使用するクロスグリッドを通過する散乱線の割合をシミュレーションで求めた係数を掛け合わせ、散乱線の発生する強度を散乱体の周囲の角度ごとに求め、そして、その値から散乱線角度サブトラクションに利用する散乱角度と、それぞれの画像に掛け合わせる重み係数を求めた。次に、この値を使用して、石灰像と見立てたCa(タブレット、3mm径、2mm径、1mm径)を霜降り肉に埋め込んだ試料で角度サブトラクションを行う。また、平滑化、コントラスト強調、エッジ強調を加え、視覚的に評価した。 その結果、幾何学的に使用できる限界である散乱角度80°から90°の間で、2次微分値が反転することはないため、使用する角度は80°と90°を選択し、重み係数は0.98と決まり、SN比を向上させるため散乱角度サブトラクション処理前に原画像を平滑化させるのには加重平均(5×5)フィルタの効果が顕著で、処理画像をコントラスト強調するのにはメディアン(5×5)+ラプラシアン(5×5)フィルタが適していた。 さらに、我々はDICOM画像(100μm、10bit)で散乱角度サブトラクションを行うことで、1㎜径のCaも描出することを可能とした。つまり、微小石灰化像を描出するには、量子化レベルが十分に高い必要があることが判った。
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