研究課題/領域番号 |
22591418
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研究機関 | 独立行政法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
森田 美和 独立行政法人国立成育医療研究センター, 研究所・RI管理室, 共同研究員 (90329699)
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研究分担者 |
梨井 康 国立成育医療研究センター, 研究所・RI管理室, 室長 (60321890)
杉岡 篤 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (20171150)
長尾 静子 藤田保健衛生大学, 疾患モデル教育研究センター, 准教授 (20183527)
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キーワード | 移植・再生医療 / 免疫寛容 / microRNA |
研究概要 |
現在の移植医療において免疫抑制剤の使用は欠かせないが、その副作用による感染や発癌などは移植患者のQOLを著しく低下させるため、免疫抑制剤を用いずに移植臓器を生着させることは移植医療の究極の目標である。マウス肝移植モデルはあらゆる系の組み合わせにおいて免疫抑制剤なしで移植臓器が生着し、免疫寛容を誘導できる実験動物モデルであり、免疫寛容誘導のメカニズムの解明を試みるにあたって、このモデルを使用することは大きな利点があると予想される。本年度は拒絶反応および免役寛容誘導に関連して変動するmiRNAを探索し、免役寛容誘導のメカニズムを解明することを目的としている。まず、マウス肝移植後に経時的に摘出した移植肝からmiRNAを抽出し、移植免疫反応関連のmiRNA、mRNAを網羅的に探索し、拒絶関連因子との比較をおこなった。その結果、急性拒絶反応時に発現がupregulateするものと、downregulateされるものが得られた。拒絶反応時に発現がupregurateするものに関しては、Banff分類における拒絶反応スコアおよび血清中のALTおよびASTとの相関を解析したところ、いずれも高い相関を示し、免疫反応の活性化とこれらのmiRNAに関連があることが示された。現在は拒絶モデルであるマウス心移植モデルを作製し、免役寛容モデルであるマウス肝移植において同定されたmiRNAを用いて、その発現の意義および相関を解析した。免役寛容誘導におけるメカニズムが解明され、新しい分子標的治療薬の開発が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウス肝移植モデルを用いた免疫寛容誘導に関わるmiRNAの解析は順調に進められており、当初の計画に照らし合わせおおむね順調に進展していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
マウス肝移植において同定された免役寛容誘導に関わるmiRNAのマウスへの投与実験をおこなう。まずは正常マウスに静脈内投与をおこなったあと、マウス各組織における標的分子の発現を解析するともに、生体への影響を生化学マーカーを用いて検討する。また、肝移植後のマウスに投与をおこない、免役寛容誘導における影響を検討する。
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