2週間のモルヒネ髄腔内長期投与をラットに対して行うと、鎮痛耐性と脊髄肉芽組織による圧迫にて運動神経障害を起こした。鎮痛効果をほとんど示さない低用量のα2アゴニストのデクスメデトミジン(DEX)をモルヒネと併用することで、モルヒネの鎮痛耐性と肉芽形成を抑制し、運動神経障害をも抑制した。乳腺腫瘍細胞を脛骨に移植した癌性疼痛モデルではモルヒネ、DEXの髄腔内持続投与によりアロデニア(自発痛)の抑制は一部にしかみられなかった。DEXの併用はモルヒネの髄腔内長期投与副作用に対する抑制効果があると考えられ、癌性疼痛患者の治療に貢献できる可能性がある。
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