前立腺全摘除術にて得られた組織の癌細胞浸潤の最先端部(invasive front)と非浸潤部分の micro-RNA(miRNA)発現パターンを解析し、 浸潤に関与する miRNA の同定を試みた。個体間および同一患者の組織間に発現パターンの差が大きく、invasive front と非浸潤部分において有意に発現が異なる miRNA は同定できず、miRNA は前立腺癌の浸潤において明らかな関連はないことが示唆された。 本研究の問題点として、サンプル数(n=32) が限定的である点と、サンプル間の miRNA 発現のばらつきが比較的大きいことが挙げられ、前立腺癌の浸潤に miRNA が関与するか否かについてはさらなる研究を行う必要があると考えられた。
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