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2012 年度 実績報告書

病院看護職員への能力主義管理導入の現状分析と合理的賃金制度モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22592403
研究機関神戸市看護大学

研究代表者

林 千冬  神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (60272267)

研究分担者 益 加代子  神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (80511922)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2014-03-31
キーワード賃金制度 / 能力主義 / 成果主義 / クリニカルラダー / コンピテンシー / 目標管理
研究概要

2013年2月下旬、英国看護協会(RCN)本部を訪問し、賃金問題担当者らにインタビューを実施した。主なインタビュー内容は、AfC(NHS Agenda for Change)によるPay systemの概要、賃金システム構築までの経緯、およびKSF(Knowledge Skill Flamework)のシステムについてであった。
AfCは1990年代に医療関係職種が、仕事の評価だけでなく公平性を求めるようになったことを背景に導入された。看護師はBand5のレベルからスタートし、KFCの評価のもとで昇格していく。最高はBand9であるが、これは大規模病院の看護部長クラスである。AfCは、看護師以外の医療従事者すべて(医師・歯科医師を除く)に適応されており、equal payとequal valueが魅力だとUnionも含めて考えている。AfC導入の1番のメリットは、6つのコンピテンシーからなるKSFによる評価システムの導入であり、これにより公平な仕事の評価が可能になり、長期的に看護師のキャリア開発が可能になったと、労使双方から評価されていることが明らかになった。
同時に、看護協会支部で、Pay systemを運用している現場の看護管理者へのインタビューも行った。かれらによれば、看護師のBandのスタートは5からであるが、理学療法士などは上位の6からとなっており、看護師のコンピテンシーのアピール不足や看護師のJob descriptionがあまり評価されなかったことが問題である。ただし彼らもまたRCN本部と同じように、AfCにより全職員が平等性を認識できるようになり、チーム全体の意識も向上したというベネフィットがあることを強調していた。
以上のように英国の賃金制度は、政府も巻き込み医療従事者全体に適用されるスケールの大きなものであり、これは当初の予想を超えるものであった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度の質問紙調査は、インタビューデータのまとめが終わり次第年度前半に分析を終え、10月の日本医療・病院管理学会で発表し、現在、誌上発表をめざして執筆中である。
英国調査は、当初の予想を超えた進展がみられ、インタビューデータほかの分析が年内には終わらなかったため賃金モデルの検討まで至っていない。

今後の研究の推進方策

インタビューデータほかの分析を8月までにおこない、年内に報告可能な学会または専門誌投稿をめざす。またこれらを、最終目標である賃金モデル試案の作成と同時並行で行い、年度末までに完成させる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 病院看護職員の賃金制度の実態と看護管理者の認識

    • 著者名/発表者名
      林 千冬
    • 学会等名
      第50回日本医療・病院管理学学術大会
    • 発表場所
      東京

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公開日: 2014-07-24  

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