研究課題/領域番号 |
22592441
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
小幡 光子 三重大学, 医学部, 教授 (50264346)
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キーワード | ICU / クリティカルケア / エスノグラフィー |
研究概要 |
本年度は当初計画通り、A大学医学部付属病院において延べ約133日間のフィールドワークを実施し、ICU病棟の組織・構造・機能、病棟運営のシステムや人間関係等全体像を把握した。調査期間には病棟のすべての行事(チームカンファレンス、リーダー会、勉強会、演習等)、出来ごと(医療事故検討会、RST病棟回診)に時間が許す限り参加した。看護師に関しては、管理職、リーダー、スタッフ(ベテランから新人まで)について系統的に参加観察を実施、夜間業務についても追跡した。初期の探索的観察から後半の焦点を絞った観察により、病棟の特徴的な状況や対象集団の関係性や問題点を見出すことが出来たと考えている。さらに病棟の全スタッフ:看護師(25名)・看護助手(1名)ME(1名)・クラーク(1名)・医師(9名)・看護部管理職看護師(3名)、計40名の面接を実施した。面接時間は40分から130分、平均70分以上の長時間におよび、語りの中から病棟の複雑な繁忙さや状況の厳しさがもたらす様々なストレスを把握することができた。面接の後半では、心情を吐露する訴えにも似た語りがあり、このタイプの研究における、研究者と研究対象者との関係性により、データの豊かさや限界が生じることも実感として学ぶことが出来た。より質の良いデータ収集が出来るよう次施設の調査に活かしたい。 現在はインタビューデータのテープ起こしや観察記録の整理を行いながら、論文の構成や内容の記述の仕方等について学会発表に向けて検討中である。 次年度は、もうひとつの調査対象施設であるK病院において、同様の調査を行う予定で準備している。また、A大学病院での調査結果を学会発表及び論文投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り調査を終了できた。
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今後の研究の推進方策 |
H24年度はK病院で同様の調査を実施する計画である。 すでにH23年度中にK病院でのプレ調査を終え、4月にはK病院倫理委員会に申請、承認後ただちに調査に入れるよう準備をしている。
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