【1.外来看護におけるタッチパネル式情報提供コンピュータ活用の有効性の検討】 ①平成23年6月~平成24年4月の調査データの分析:糖尿病患者のセルフケアに対する主観的な評価を理解するために、セルフケア自己評価尺度(タッチパネル式情報提供コンピュータ)を活用した関わりの中でどのような自己評価がなされていたのか、その言動を明らかにすることを目的に、質的統合法KJ法を用いた。分析対象は15事例で、個別分析においては対象の生活背景・価値観・ライフサイクルに応じて、さまざまな言動があった。分析の段階は個別分析中であるが、セルフケア自己評価の言動は、自己の葛藤や試行錯誤の調整の循環であり、対象の自律に向けてのポジティブな循環となり、自己を意識したセルフケア実践のプロセス評価であると推測された。看護師は、この糖尿病患者の自己評価の様相に寄り添い、生涯にわたり糖尿病患者とともにセルフケアを促進していくことが重要であることがわかった。これらの成果は、対象と研究者が共にセルフケア自己評価尺度という同じ物差しとその結果が示された可視化されたグラフを通して、対象のセルフケアについて考えることができたことと、対象者に寄り添う看護師の存在も重要であることがわかった。そのため、看護師が多忙な外来業務の中でも患者の自己評価の状況を察知できるようなシステムつくりが必要である。 ② ①の結果をもとに協力施設の外来看護師に有効性・利便性についての説明を行い、システムつくりに同意を得た。 【利活用に向けたシステムつくり】①協力施設に限らず、地域の糖尿病療養指導士が活用できるようにアプリケーションのシステムの整備を行い、②協力施設の外来システムの中にタッチパネル式情報提供コンピュータのシステムを組み込んだ。
|