研究課題/領域番号 |
22592474
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
福田 和美 福岡大学, 医学部, 助教 (50405560)
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研究分担者 |
中尾 久子 九州大学, 医学研究科, 教授 (80164127)
川本 利恵子 九州大学, 医学研究科, 教授 (40144969)
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キーワード | 術後せん妄 / 家族 / 身体的心理的状態 / 看護介入モデル |
研究概要 |
本研究は術後せん妄を発症した患者の家族の身体的心理的状態をミックス法を用いて把握し、将来的には看護介入のモデル化を目指すものである。せん妄発症リスクを有する患者の家族を登録し、手術前、術後せん妄発症時、せん妄消失時を調査日として、家族に対して、POMS(気分プロフィール尺度)、主観的健康観、共感的コーピング尺度、唾液アミラーゼ値の測定を行った。患者のせん妄は、術後5日間NEECHAM混乱錯乱スケールを用いて評価を行った。また、患者が術後せん妄を発症した時には、面会時の家族の表情や行動の観察とせん妄消失時に半構造化面接を行った。 今年度は、術後せん発症リスクを有する患者の家族108名中、せん妄を発症した患者の家族は23名であり、うち13名の家族のインタビューを行った。 23名のせん妄発症患者の家族の量的データに関しては、サンプル数が少ないため十分な分析が行えていないことから、引き続きデータ収集を行いサンプル数の確保を行う予定である。 質的データに関しては、インタビュー内容を家族のせん妄の認知、反応、対応・対処の3つの視点で分析した。その結果、せん妄を発症した患者の家族は、患者のせん妄に遭遇し、せん妄を目にした「現象的認知」、患者と関わってから認知した「感覚的認知」、他者からの情報として認知した。間接的認知」の3つのパターンでせん妄を認知していた。また、せん妄の認知後は、反応として「受け入れの未準備」、「ケアへの使命感」、「原因の模索」などが明らかになった。さらに対応・対処として、患者の体験世界を共有するなどの「相互関係的」や他者へのサポート依頼や距離をあけるなどの「逃避的」な対応・対処が明らかになった。今後、インタビューの継続と分析を行い、カテゴリー化の精練を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
継続したデータ収集ができず、また対象者が少ないため必要なサンプル数の確保ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、対象者数が少ないため、研究期間中に看護モデルの構築を行うのは困難であり、分析結果から看護介入の検討を行い、将来的な看護介入モデルの構築の基盤とする。
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