研究概要 |
本研究の目的は、内部障害を有する高齢入院患者の治療に伴って出現する廃用性変化を予防し、対処するために必要な介入基準と看護方法の開発することである。 今年度は、研究1として、内部障害を有する高齢入院患者の廃用症候群の実態の把握を目的とした。 研究1の第1段階として、廃用性変化の実態、廃用性変化の予防、早期介入の効果に関して、医学中央雑誌web版を用いて、過去5年間の文献検討を行った。その結果、心・肺・腎臓疾患など内部障害を有する対象の廃用症候群に焦点をあてた研究はほとんどなく、疾患の回復に焦点をあてたリハビリテーション医療の有効性と必要性が実態調査レベルで述べられているにとどまっていた。また、国外文献において、deconditioning, immobility, immobilization, inactivityのキーワードで文献検索を行い、概観したところ、内部障害に限定しているものはみあたらず、看護師の廃用性症候群に対する態度や知識の重要性が述べられていた。論文としては明確になっていないが、高齢者看護の臨床の場においては、考慮され実践されているのではないかと考えられた。 第2段階として、廃用症候群およびケアの実態を把握する調査票作成のためのエキスパートナースへのヒヤリングを計画した。そこで、対象施設の確保および調整、研究計画および倫理的配慮に関しての審査を倫理審査委員会に申請し、承認を受けた。現在、対象施設から内諾が得られ、調査日程を調整している。
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