研究課題/領域番号 |
22592620
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
三村 洋美 昭和大学, 保健医療学部, 准教授 (30382427)
|
研究分担者 |
人見 裕江 近大姫路大学, 看護学部, 教授 (30259593)
衣笠 えり子 昭和大学, 医学部, 教授 (10161522)
古江 知子(田村知子) 昭和大学, 保健医療学部, 普通研究生 (00447137)
水内 恵子 福山平成大学, 看護学部, 講師 (60521812)
吉田 寿子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60437788)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 腹膜透析 / エンドオブライフケア / 地域連携 / セルフケア / QOL |
研究概要 |
最終的な研究目的は、腹膜透析療養者の地域連携支援グランドモデルを展開して腹膜透析療養者のエンドオブライフまでの継続ケアを確立することである。H22~23年度には3か所のモデル地区でエンドオブライフまでの継続ケアを展開する基盤整理を行った。H24年度は実際にエンドオブライフまでの継続事例を検証し、支援を行った専門職にインタビューを行い、帰納的に分析を行った。これによって、地域連携支援グランドモデルを活用したエンドオブライフ支援のための要素を明確にすることができた。 在宅で腹膜透析療養者を看取った専門職者へのインタビューから[解釈すること]、[決定すること]、[作り出すこと]、[調整すること]、[見守ること]5つの支援の要素を同定することができた。[解釈すること]は療養者の願い、家族の思い、在宅療養の意味について内容を解きほぐして明らかにすることである。小項目は「在宅療養の意味」、「家族の思い」、「療養者の願い」である。[決定すること]は苦しみを取り除く方法と残された時間に合わせた時間の使い方を決定することである。小項目は「苦しみを取り除く」、「残された時間に合わせる」である。[作り出すこと]は専門職の看取りの技能を向上させ、制度の活用方法や制度外のサポートを作り出しケアを行えるようにすることと、家族や一般人への死について教えることである。小項目は「専門職の看取りの技能」、「制度外のサポート」、「制度の活用方法」、「死の教育」である。[調整すること]はケアに関わる人の連携を調整したり、家族内の関係を調整することである。小項目は「関わる人の連携」、「家族の関係」である。[見守ること]は普通に営まれる日常の生活を見守り、自然な最期をみとどけることである。小項目は、「日常の生活」、「自然な最期」である。この要素をケアのコンテンツとし腹膜透析療養者のケアに展開することが可能である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最終的な研究目的は、腹膜透析療養者の地域連携支援グランドモデルを展開して,腹膜透析療養者のエンドオブライフまでの継続ケアを確立することである。平成22年度はセルフケア能力向上を目指して継続ケアを実施評価する基盤を整備した。平成23年度は地域連携グランドモデルを運用して一人ひとりの療養者のモデファイモデルを作成してエンドオフライフまでの継続ケアを行う準備を行った。平成24年度は「在宅でのエンドオブライフを支える要因」を明らかにできたため、それをケアのコンテンツとして活用する。 平成25年度、26年度を通して、これまでの成果である、地域の基盤と介入のコンテンツを活用してアクションリサーチを行う予定であり、腹膜透析療養者のエンドオブライフまでの継続ケアをシステム的に展開することが可能であると考えている。
|
今後の研究の推進方策 |
H23年度に、エンドオブライフケアの為のモディファイモデルの重要な選択肢として老人福祉施設と療法選択外来があることが明確になった。H24年度に介入のコンテンツを明らかにすることができ「在宅でのエンドオブライフを支える要因」を同定した。今年度はこれらを活用してアクションリサーチを展開する。 (1)老人福祉施設で腹膜透析を行いながらエンドオブライフを過ごす療養者に対して、介入のコンテンツに基づいたケアの実践を行う。 (2)在宅で腹膜透析を行いながらエンドオブライフを過ごす療養者に対して、介入のコンテンツに基づいたケアの実践を行う。 (3)(1)(2)についてケースカンファレンスを繰り返しながら、ケアの方法について検討しながら、より良いケアについて明らかにする。 (4)(1)(2)のケースはプロセスを記録し、ケア提供を行ったものに対してヒアリングを行う。 (5)療法選択外来において療法選択とともにエンドオブライフについて考えるような教育を取り入れる。
|