研究課題/領域番号 |
22592620
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
三村 洋美 昭和大学, 保健医療学部, 准教授 (30382427)
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研究分担者 |
古江 知子 (田村 知子) 昭和大学, 保健医療学部, 普通研究生 (00447137)
衣笠 えり子 昭和大学, 医学部, 教授 (10161522)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 腹膜透析 / エンド・オブ・ライフケア / 地域連携 / セルフケア |
研究概要 |
最終的な研究目的は、腹膜透析療養者の地域連携支援グランドモデルを展開して腹膜透析療養者のエンドオブライフまでの継続ケアを確立することである。H25年度はアクションリサーチによる実際の腹膜透析療養者の地域連携支援グランドモデルによる支援の評価を行った。 <ケース1>90歳代女性で脳梗塞で寝たきりH22年より間CAPDをした。三男夫婦が介護し在宅療養していたが認知症を併発し有料老人ホームに入居した。H25年1月から食事が食べれず病院への入退院を繰り返した。三男夫婦は「すべて出来る治療をしてほしい」と希望した。H25年5月21日に誤嚥で再入院し三男夫婦は「治療は病院におまかせする」と話した。ホームに退院し、ホーム管理者が今後の意向を6月1日に確認し、三男夫婦は「元気な時の本人の希望を考えると、これ以上の治療はせず自然に」と話した。関係機関と家族と今後の体制を考えた。7月10日に呼吸状態が悪化したため三男夫婦にホーム管理者が意向を再度確認し、病院に行くことも可能であると話したが「このまま自然に」と決断した。延命治療はせず永眠した。 評価:モディファイモデルとして、コーディネートはホーム管理者である。リソースはケアマネジャ、ホーム看護師、介護福祉士とヘルパー、基幹病院のPDナースと腎臓内科医、在宅支援診療所の医師、三男夫婦であった。三男夫婦の意向を確認しているのはホーム管理者であり、ホーム管理者は腎臓内科医と在宅支援診療所の医師に家族が病院側と在宅側の説明が違うと感じないよう細やかに連携するように依頼をしていた。療養者が死亡後にホーム管理者が三男夫婦に面接を行った。「後悔があるのでは?」という問いに「母らしい最期でした。できるだけのことはやりました。」という答えを聞いている。 他、H25年度死亡事例2例の介入終了事例の評価と6例の継続事例についてモディファイモデルによる介入について継続で調査をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度までの準備期間を経て、腹膜療養者のエンド・オブ・ライフの実践についてアクションリサーチを行い、分析を開始できたため、概ね終了年までには新たな知見を導き出せると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
H23年度に、エンドオブライフケアの為のモディファイモデルの重要な選択肢として老人福祉施設と療法選択外来があることが明確になった。H24年度に介入のコンテンツを明らかにすることができ「在宅でのエンドオブライフを支える要因」を同定した。H25年度は腹膜透析療養者の地域連携支援グランドモデルによる支援の評価を開始しているため、H26年度も引き続いて、これまでの研究成果を活用してアクションリサーチを展開し、グランドモデルを活用したエンドオブライフまでの継続ケアの方略を明らかにする。 (1)老人福祉施設で腹膜透析を行いながらエンドオブライフを過ごす療養者に対して、介入のコンテンツに基づいたケアの実践を行う。 (2)在宅で腹膜透析を行いながらエンドオブライフを過ごす療養者に対して、介入のコンテンツに基づいたケアの実践を行う。 (3)(1)(2)についてケースカンファレンスを繰り返しながら、ケアの方法について検討しながら、より良いケアについて明らかにする。 (4)(1)(2)のケースはプロセスを記録し、ケア提供を行ったものに対してヒアリングを行う。 (5)療法選択外来と訪問看護ステーションにおいて療法選択とともにエンドオブライフケア教育のコンテンツを同定する。
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