近年の製造業は、サービスを伴う製品の提供に変貌を遂げている。デザイン部門は、このサービスの開発に対応できるように変化している。しかしながら、過去の機器を対象にしたデザイン開発とどのように異なっているかは明らかにされていない。これらの問題は、デザインプロセスの解明により明らかになると間がられる。そこで、本研究では、具体的な製品を対象にそのサービスデザインのプロセスを明らかにし、最終的にはサービスデザイン全体のプロセスを明らかにした。対象とした製品は、スマートフォンとタブレットPCである。その両製品を扱っている企業に調査を実施し、サービスデザインのプロセスを明らかにした。この2製品のプロセスを比較することで、サービスデザインに共通のプロセスを明らかにした。それは、企画段階において、コンセプトを共有し、機器設計より先行してデザインを実施し、プロトタイプを制作、その結果を機器設計にフィードバックするというループ構造が存在することを明らかにした。
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