研究課題
挑戦的萌芽研究
慢性的なストレスにより生体に生じる器質的・生化学的変化について慢性ストレスモデル動物を用いて検討した。慢性ストレスモデル動物の下垂体を用いてDNAマイクロアレーを行なったところ、多くの遺伝子変化が観察された。そのうち多くの遺伝子は視床下部により制御されていることが明らかになった。さらに新たに下垂体前葉では成長因子産生細胞の著しい萎縮と分裂増殖の停止が確認された。慢性ストレスは視床下部を起点に下垂体に顕著な影響を及ぼし、さらに多くの末梢臓器に影響を及ぼしている可能性が示された。また、本モデル動物では視床下部のみならず辺縁系の多くの神経細胞の活性化も確認され、脳内の慢性ストレス回路の存在が示唆された。本モデル動物で得られた結果であるαMSHの血中の上昇は、ヒトの慢性疲労症候群の罹病5年以内の患者でも確認された。本モデルの妥当性を示す成果と考えられ、本モデルをツールとした科学的慢性ストレス研究に新たな道が開かれた。
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