研究概要 |
学生を主体とする「訪問科学実験」を33回(学校21回,地域の活動10回,大学2回),「ものづくり教室」を22回(学校や地域の活動17回,大学5回),「天文教育講座」を10回(観望会9回,工作教室1回)実施し,子どもを中心とする参加者とのふれあい等で,主として教員を目指す学生の理科実験やものづくり教育に関する資質の向上が計られた.また,小学校の理科の授業についての問題点を明らかにするため,愛知県の小学校300校を無作為に抽出し,「小学校教科『理科』の充実と理科実験の改善に向けて」のアンケート調査を行い,167校から回答を得た.このアンケートの結果から,小学校理科の授業では,教員の多忙化によって予備実験等の時間を十分に取れないこと,理科実験や観察のための消耗品等の予算が必ずしも十分でないこと,理科を苦手とする教員が理科の実験や観察を避ける傾向にあることなど,さまざまな問題点を浮き彫りにすることができた.また,3月20日には,このアンケート調査をもとに,小学校教員4名を報告者とする理科離れミニシンポジウム「小学校教科『理科』の充実と理科実験の改善に向けてパート2」を開催し,実際の小学校教員の理科の授業・実験に対する本音を聞くことができた.その中で,子どもの多くは理科の実験や観察が大好きであること,しかし,それを教員側が十分にくみ取ることができていないという問題があることが明らかになった.今後は,子どもたちの本音を調査し,理科離れの実相を明らかにしていく.
|