研究課題/領域番号 |
22651063
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
阿部 雅二朗 長岡技術科学大学, 大学院・技術経営研究科, 教授 (60212552)
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研究分担者 |
藤野 俊和 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (70508514)
仲川 力 舞鶴工業高等専門学校, 電子制御工学科, 准教授 (70249811)
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キーワード | 建設機械 / 雪氷 / 機械力学・制御 / シミュレーション工学 / 安全防護 |
研究概要 |
本研究の目的は、除雪機械の安全性を合理的に革新するため、(1)機械と雪よりなる力学系解析を高精度に実行できる「三次元動的シミュレーション解析方法」を構築すること(2)構築した方法による解析に実験解析を併用して総合考察し、雪中異物検知をはじめ安全防護システムの確立に先鞭をつけることである。雪中異物検知では、ロータリ除雪機械が除雪装置から意図せず発信する圧力波を活用する独創的な方法を探求する。本年度は、上記研究目的を達成するために以下を実施した。 1.三次元動的シミュレーション解析システムの構築および高度化平成22年度に開発し進化させた動的シミュレーション解析方法による解析結果を、並行して行う実験解析結果により順次検証し、接触特性(相互作用)モデルを中心に「解析精度向上」および「解析時間短縮」のため改良を進めた。構築し高度化した解析システムに後述する実験解析システムを併用して総合的に解析考察し、次に述べる「除雪機械のための安全防護システム」を探求した。 2.安全防護システムの探求ロータリ除雪機械による除雪時動特性の実験解析を、三次元動的シミュレーション解析で設定する環境と伺等条件下にて実施した。実験ではオーガ・ブロワ回転軸トルク計測システムと合わせて、圧力およびトルクという力情報の計測解析システムを構築し、除雪機械と雪中障害物の間における圧力波の伝播特性を解析した。除雪装置との三次元動的相互作用により生み出される雪の高速流動特性を、高速度ビデオカメラを用いるシステムにより解析した。雪の高速流動特性と圧力の伝播特性やトルク変動特性の相関性について総合的に考察し、力情報による雪中異物検知システムの基盤構築に向けて検討した。さらに、実用性が高い安全防護方法の一つと考えられる、高速回転する危険源であるロータリオーガ部への安全防護ガードについて、その最適形状等を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的を達成するための本年度の研究実施項目として掲げた(1)三次元動的シミュレーション解析システムの構築および高度化および(2)力情報による雪中異物検知システムの基盤構築について、上記「9.研究実績の概要」に記載の通り実施できたため、おおむね順調と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでに開発してきた除雪機械の三次元動的シミュレーション解析方法について、さらに進化、発展させるとともに、その方法による解析と実験解析を総合して考察する。得られる研究成果は関連する学会の講演会等にて広く公表する。
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