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2012 年度 実績報告書

手話の文字化の研究:日本における手話文字教材の開発をめざして

研究課題

研究課題/領域番号 22652039
研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

加藤 三保子  豊橋技術科学大学, 総合教育院, 教授 (30194856)

研究分担者 松本 忠博  岐阜大学, 工学部, 准教授 (00199879)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード日本手話 / 手話文字 / SignWriting / サットン手話文字 / 聴覚障害児教育 / リテラシー教育
研究概要

手話の記述について、今年度もバレリー・サットンが提案する手話文字体系(SignWriting)の批判的研究を継続した。日本手話単語のSignWriting(以下SW)表記を継続したところ、これまでの結果も踏まえ、ほぼ十分に日本手話を表記できることがわかった。しかし、手の形や動きに対する書き手の認識の違いによって表記のゆれが生じ、この「ゆれ」を吸収するために単語間の類似度を提案する必要が生じた。そこで、SWによる手話文書エディタ「JSPad」の開発を担当している、研究分担者の松本忠博(岐阜大学工学部准教授)が中心となり、SWによる表記実験をおこなって、書き手による表記ゆれを吸収した類似度検索の可能性を示した。
次に、SW学習用のテキスト開発に向けて、まずはSWがろう児のリテラシー教育にどのように役立つかを社会言語学的観点から考察し、近隣のろう学校校長らと面談して意見交換をおこなった。その結果、ろう児にとって学習が容易ではない「やりもらい」や「受け身」などの学習にはSWが効果的に作用することがわかった。
手話文字の指導は、まず動きをともなわない片手手話(「男」や「お金」など)の表記の学習から始め、次に両手手話で動きのないもの(「家」や「事」など)、片手手話で動きのあるもの(「姉」や「(値段が)高い」など)、両手手話で動きのあるもの(「経済」や「家族」など)という順とするのがよい。ちょうど漢字の学習のように、画数の少ないもの(手話では、手の形がシンプルで動きの少ないもの)から順に指導することが効果的である。これらの事実から、SWは漢字の体系に類似したシステムを有することがわかる。
過去に実施したアンケート調査でも、ろう者のSWへの関心はかなり高い。今後はSWの存在意義を広くろう教育関係者に知ってもらい、議論を重ねながら実践的研究を継続し、より効果的な教材の開発をめざしたい。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Japanese Deaf People and Their Sign Language - With Special Reference to the Sign Language Writing System -2012

    • 著者名/発表者名
      Mihoko Kato
    • 雑誌名

      The Ninth Symposium for Japanese Language Education and Japanese Studies Manuscripts

      巻: 2012Manuscripts ページ: 841-847

  • [学会発表] 手話文字SignWritingの手話ー日本語辞書への応用2013

    • 著者名/発表者名
      杉山真也、松本忠博、加藤三保子
    • 学会等名
      電気情報通信学会2013年総合大会
    • 発表場所
      岐阜大学(岐阜市)
    • 年月日
      20130319-20130322
  • [学会発表] 手話とろう者に関する社会言語学的研究2012

    • 著者名/発表者名
      加藤三保子
    • 学会等名
      日本手話学会2012年度第2回小研究会「東海地区の手話学」
    • 発表場所
      豊田工業大学(名古屋)
    • 年月日
      20121208-20121208
    • 招待講演
  • [学会発表] 手話の普及と変容2012

    • 著者名/発表者名
      加藤三保子
    • 学会等名
      第7回国際言語管理研究会
    • 発表場所
      青山学院大学ヒューマン イノベーション コンサルティング株式会社
    • 年月日
      20121201-20121201
  • [学会発表] ろう者と聴者を結ぶことば「手話」の普及と発展をめざして2012

    • 著者名/発表者名
      加藤三保子
    • 学会等名
      函館手話通訳問題研究会創立30周年記念講演会
    • 発表場所
      ホテル法華クラブ函館
    • 年月日
      20120729-20120729
    • 招待講演
  • [学会発表] 日本における手話の普及と変容について2012

    • 著者名/発表者名
      加藤三保子
    • 学会等名
      異文化間教育学会第33回大会
    • 発表場所
      立命館アジア太平洋大学
    • 年月日
      20120609-20120610
  • [図書] 北東アジアのことばと人々2013

    • 著者名/発表者名
      樋口健一郎 編
    • 総ページ数
      未定
    • 出版者
      大学教育出版(株)
  • [図書] 企業,大学はグローバル人材をどう育てるか2012

    • 著者名/発表者名
      本名信行、竹下裕子、三宅ひろ子、間瀬幸夫 編
    • 総ページ数
      245
    • 出版者
      アスク出版

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公開日: 2014-07-24  

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