平成22年度前期より4社のアイカメラを実際に試用し比較検討を行い、日常の教育実践時に用い実践研究・データ収集を行うために、最も視点の動向・停留データを正確に取得・記録でき、動作・加重・心理的な負荷、データ分析負荷等が少ない機種を再選定した上でアイカメラを導入した。一方、電子黒板・ノートパソコンを整備し、それらICT機器を用いた試案授業を現職教諭の研究協力のもと実践し、担当教諭の実践中における視点の動向・停留データを測定した。実践はビデオカメラによる記録も行った。授業後、担当教諭に振り返り調査を行った結果、電子黒板を全く使ったことのない教諭であったが、電子黒板の負荷は小さく、実践での活用に難が少ないとの意見が寄せられるとともに、実践自体も無理のない流れの中に電子黒板が位置付けられていた。電子黒板導入により特殊な授業構成法(ストラテジー)が必要となるというより、基本的な授業構成法(ストラテジー)に電子黒板による教授機能が付随していくというイメージであった。平成23年度も継続して電子黒板の実践活用をすすめる中で、当該教諭の授業構成法の変容を見ながら、ICT活用指導法の特性について明らかにしていきたい。 なおアイカメラについては、学習者の言動ならびに教諭の聞き取りから、心理的な違和感・行為負荷を感じていたことも明らかとなった。平成23年度前期に継続使用し指導者・学習者相互の心理的負荷の軽減を図り、平成23年度後期より中心的な教材開発と授業開発・実践に移りたいと考える。 この他、四国各県の電子黒板導入実践校を訪問し、積極的に電子黒板を活用している教諭の授業観察を行った。その結果、実践中に教諭が指導・指示などを行っていない隙間時間に電子黒板を操作する行為が頻繁に観察された。平成23年度より、使い慣れた教諭にも研究協力を頂き、アイカメラを用いたICT活用授業における指導・支援行為と指導法の解明を進めたい。
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