自己き裂治癒の応用によるセラミックスの転がり疲労強度向上

2012 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 22686013
• 研究種目: 若手研究(A)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 機械材料・材料力学
• 研究機関: 横浜国立大学
• 研究代表者: 高橋 宏治 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (90334630)
• 研究期間 (年度): 2010 – 2012
• キーワード: セラミックス / 転動疲労強度 / 自己き裂治癒 / ショットピーニング / 残留応力

研究概要

本研究では、セラミックスの転動疲労強度に対するショットピーニングおよび自己き裂治癒の効果の解明を試みた。窒化ケイ素(Si_3N_4)においては、SPにより圧縮残留応力を導入することにより転動疲労強度を大幅に向上することができた。しかし、Si_3N_4よりも破壊靭性値が低いアルミナ/炭化ケイ素複合材(Al_2O_3/SiC)では、SPにより圧縮残留応力を導入しても、き裂が存在した場合、転動疲労強度は向上しない。しかし、圧縮残留応力を残しつつ、SPによって生じたき裂を治癒すれば、転動疲労強度は大幅に向上することが明らかとなった。

研究成果

• [雑誌論文] ショットピーニングによる窒化ケイ素の転動疲労強度向上 (2013)
  • 著者名/発表者名: 山元大貴,大木友也,高橋宏治,長田俊 郎
  • 雑誌名: 日本機械学会論文集A編 巻: (印刷中)
  • 査読あり
• [雑誌論文] ショットピーニングによる窒化ケイ素/炭化ケイ素複合材のき裂治癒可能な限界応力の向上 (2013)
  • 著者名/発表者名: 中川郷士,高橋宏治,長田俊郎,斎藤慎二
  • 雑誌名: 日本機械学会論文集A編 巻: (印刷中)
  • 査読あり
• [雑誌論文] mprovement of the Contact Strength of Al_2O_3/SiC by a Combination of Shot Peening and Crack-Healing (2013)
  • 著者名/発表者名: T. Oki, H. Yamamoto, T. Osada, and K. Takahashi
  • 雑誌名: Journal of Powder Technology 巻: Vol.2013 ページ: 5
  • 査読あり
• [雑誌論文] 自己き裂治癒能力に優れた高温構造用セラミックスの開発 (2013)
  • 著者名/発表者名: 長田俊郎,高橋宏治
  • 雑誌名: 工業材料 巻: 61巻4号 ページ: 30-33
• [雑誌論文] 自己治癒性セラミックスの開発 (2012)
  • 著者名/発表者名: 高橋宏治
  • 雑誌名: 化学と工業 巻: 65巻4号 ページ: 317-319
• [雑誌論文] Improvement of the Contact Strength of Si_3N_4/SiC by a Combination of Shot Peening and Crack-Healing (2012)
  • 著者名/発表者名: K. Takahashi and Y. Nishio
  • 雑誌名: Journal of Solid Mechanics and Materials Engineering 巻: Vol.3,1 ページ: 41-52
  • 査読あり
• [雑誌論文] Crack-healingBehaviour of ZrO_2/SiC CompositeCeramics and Strength Properties of Crack-healing Specimens (2012)
  • 著者名/発表者名: K. Houjou and K. Takahashi
  • 雑誌名: International Journal of Structural Integrity 巻: Vol.3, No.25 ページ: 144-153
  • 査読あり
• [雑誌論文] Improvement of strength and reliability of ceramics by shot peening and crack-healing (2010)
  • 著者名/発表者名: K. Takahashi, Y. Nishio, Y. Kimura, K.Ando
  • 雑誌名: Journal of the EuropeanCeramic Society 巻: Vol.30, No.15 ページ: 3047-3052
  • 査読あり
• [学会発表] 自己治癒性セラミックスの開発と評価 (2012)
  • 著者名/発表者名: 高橋宏治
  • 学会等名: 日本化学会技術開発フォーラム「自己修復性材料開発の最前線」
  • 発表場所: 東京都,化学会館
  • 年月日: 2012-11-16
• [学会発表] ショットピーニングによる窒化ケイ素/炭化ケイ素複合材のき裂治癒可能 な限界応力の向上 (2012)
  • 著者名/発表者名: 中川郷士,高橋宏治,長田俊郎,斎藤慎二
  • 学会等名: 日本機械学会M&M2012 材料力学カンファレンス
  • 発表場所: 愛媛大学
  • 年月日: 2012-09-24
• [学会発表] ショットピーニングによるセラミックスの転動疲労強度向上 (2012)
  • 著者名/発表者名: 山元大貴,大木友也,高橋宏治,長田俊郎
  • 学会等名: 日本機械学会M&M2012 材料力学カンファレンス
  • 発表場所: 愛媛大学
  • 年月日: 2012-09-24
• [学会発表] ショットピーニングによるセラミックスの強度向上と摺動部材への応用 (2012)
  • 著者名/発表者名: 山元大貴,大木友也,高橋宏治,長田俊郎
  • 学会等名: 日本ばね学会 2012 年度春期ばね及び復元 力応用講演会
  • 発表場所: 東京都, 明治大学
  • 年月日: 2012-06-07
• [学会発表] ショットピーニングと自己き裂治癒による高温用セラミ ックスにおける稼働中の信頼性向上 (2011)
  • 著者名/発表者名: 中川郷士, 高橋宏治
  • 学会等名: 日本ばね学会 2011年度秋期ばね及び復元力応用講演会
  • 発表場所: 東京都大田区産業プラザ
  • 年月日: 2011-11-24
• [学会発表] ショットピーニングと自己き裂治癒によるセラミックスの転動疲労強度向上 (2011)
  • 著者名/発表者名: 大木友也,高橋啓太,高橋宏治
  • 学会等名: 日本機械学会2011年度年次大会
  • 発表場所: 東京都,東京工業大学
  • 年月日: 2011-09-12
• [学会発表] Improvement of contact strength of Si_3N_4/SiC by combination of shot peening and self-crack healing (2011)
  • 著者名/発表者名: K. Takahashi
  • 学会等名: ASME PVP2011
  • 発表場所: 米国,ボルチモア
  • 年月日: 2011-07-19
• [学会発表] ジルコニア/炭化ケイ素複合材のき裂治癒機構 (2010)
  • 著者名/発表者名: 高橋宏治,須藤駿介,北條 恵司
  • 学会等名: 日本機械学会M&M2010 カンファレンス
  • 発表場所: 長岡市,長岡技術科学大学
  • 年月日: 2010-10-09
• [学会発表] ショットピーニングと自己き裂治癒を応用したセラミックスの接触強度特性向上 (2010)
  • 著者名/発表者名: 高橋宏治,西尾嘉唯
  • 学会等名: 日本材料学会・第59期通常総会・学術講演会
  • 発表場所: 札幌市,北海道大学
  • 年月日: 2010-05-22
• [図書] 材料の最新技術-メーカー採用のトレンド- (2011)
  • 著者名/発表者名: 高橋宏治
  • 総ページ数: 90-95
  • 出版者: 自己き裂治癒能力を持つセラミックス
• [図書] Advances in Ceramics - Characterization, Raw Materials, Processing, Properties, Degradation and Healing, Eds. Costas Sikalidis, In Tech (2011)
  • 著者名/発表者名: K. Takahashi, K. Ando, W. Nakao
  • 総ページ数: 351-370
  • 出版者: Crack-Healing Ability of Structural Ceramics and Methodology to Guarantee the Reliability of Ceramic Components, Chapter 18