医学統計分野での測定誤差を伴う区間打ち切り生存時間データ解析において、統計モデルを新たに作成することを目的として研究を進めた。多くの疾患分野で、検査値の測定に誤差を伴うことが多い。また、検査の来院が1年ごとに行われるなど、区間打ち切り生存時間データも多くみられる。これらを無視して解析を行うとリスク評価にバイアスを伴うことが知られているものの、測定誤差と区間打ち切りを同時に考慮した研究はまだ少ない。研究者は、区間打ち切りデータの解析において生存時間をセミノンパラメトリック分布に従うとするものを用いることで、生存時間の分布に対して頑健な手法となることを目標とした。そして、測定誤差は近似尤度法により考慮した。まず、医学分野で最も用いられている、比例ハザードモデルについて統計モデルの構築を行った(学会発表)。更に、加速モデルへの拡張を行った(学会発表)。最後に、糖尿病患者データへの応用を行い、合わせて論文として投稿まで行った。測定誤差モデルとして有名な医学データとして、栄養疫学分野があられる。理論的研究を深め、得られた知見を、異なる応用事例へ反映させることも必要である。
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