トランス脂肪酸(TFA)は、不飽和脂肪酸のうち二重結合の立体配置がトランス型になっているものの総称である。工業由来TFAは、子宮内胎児発育遅延や発達障害のリスクとなることが欧州の研究で示唆されている。そこで、本研究では日本人妊婦を対象に、胎児の発育に及ぼすTFAの影響について検討した。胎盤組織から脂質抽出を行い、GC-MSにて脂肪酸分析を行い、児の発育指標との関連を検討した。結果、早産児の場合、胎盤中のTFAの存在比率と出生体重SDスコアが負に相関した。この結果から、TFAが児の発育を抑制する可能性が示唆された。
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