研究概要 |
本年度は新潟県中越沖地震後に柏崎市において実施された被災者生活再建支援業務のうち14業務(応急危険度判定,建物被害認定調査(外観調査),再調査(内観調査),被害認定調査データベース構築,り災証明発給,生活再建相談窓口対応,被災者認定の見直し,県制度支援金の支給,国制度支援金の支給,義援金の支給,、応急住宅修理制度の適用,仮設住宅入退居支援,仮設住宅入居者への住まいの再建支援,復興公営住宅への入居支援)を対象として,被災者台帳に記録された情報から業務量を分析した.本研究では,発災日である2007年7月16日から2009年11月30日までの869日間を対象として,各業務において日単位で発生した業務量を調査し,分析した.業務量の単位は業務ごとに異なるが,概して行政より提供される支援サービスの対象となる単位(世帯や建物,個人等)を採用した.この分析により,日単位で発生する業務量の全体像を把握するとともに,業務ごとに発生するピーク値およびピーク発生日を同定することができた.また,総業務量,実施総日数,業務開始日,業務終了日,平均業務量も明らかにした.これらの結果は,業務量を推定する上での基礎情報として活用することが可能である.一方で,業務発生期間を短期(1ヶ月未満)/長期(1ヶ月以上),ピークの発生回数を単数回/複数回という軸で分類し,14業務のそれぞれの業務の振る舞い方を整理した.その結果として,長期にわたる業務に対しては体制整備の必要性を追求するとともに,終了時期を判断する必要性を指摘した.ピークが複数回発生する業務では,支援期間中において方針変更が影響を与えており,方針変更に伴って発生する業務量を把握した上での判断が求められることを指摘した.
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