研究課題
H24年度では,被災者生活再建支援に関わる各種15業務を対象として三角分布における業務量の変化を表すモデルの構築を実施した.このモデルは,新潟県中越沖地震の被災地である柏崎市の実態調査から得られたデータおよび東日本大震災の被災地である岩手県の沿岸市町村を対象とした実態調査から得られたデータに基づいて構築した.H24年度末では東日本大震災の災害発生から2年が経過した時点であったため,この2年を調査分析対象期間とした.ここで示したモデルは,始点・終点・ピーク期・ピーク値を代表的に把握した三角分布とした.これは,簡易化したモデルを活用することで,俯瞰的に一定の精度を保てるとともに,電算化が容易となるためである.また,中越沖地震の事例では,支援提供の途中で制度改正や支援要件の見直しが実施されたため,業務量のピーク値が複数回発生した.これに対しては,三角分布を複数組み合わせ,モデルの簡素化を実施した.業務量推定のための三角分布モデルの構成要素であるピーク値および始点・終点間の幅を決定する要素は,被災地における被災世帯数・被害程度率に依存した.東日本大震災では,申請期間の延期も影響し,終点までの期間幅が長期にわたり,本報告書を執筆時点であっても最終点を完全に把握は出来ていない.上記のモデルに基づき,次なる災害に備えて空間データを活用し推計するための仕組み開発を進めた.これは,上記で示したように「被災者の数」にモデルが依存することから,「ハザード情報×社会資産量=被害量」という概念に基づき,シミュレーション等の結果として得られるハザード情報に対し,建物および人口を社会資産量として捉え,被害量の概数を把握し,それらからモデルに基づいた推計結果を提示することとした.本年度では,この推計に必要な基礎データの収集と,それらの空間データ化を実施し,自動化するための基礎整備を達成した.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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地域安全学会論文集
巻: No.18 ページ: 351-361
World Conference on Earthquake Engineering Proceedings
巻: 15th ページ: CD-ROM(pp.8)