| 研究概要 |
インド国内の図書館にて資料調査を行い、目録作成に着手した。(詳細は以下)
・比較的設備が整っている国立ネルー記念図書館では、マイクロフィルム化されたChand誌の重要個所(1920年代後半から30年代前半の読者投稿欄、ならびに大きな話題となったマールワーリー特集号)の複写を入手することができた。現在、特集号が取り上げた「マールワーリー」という商人コミュニティの表象を通して、共同体イメージや帰属意識、あるいは他者イメージがどのように作りあげられていくのか、当時の時代背景を確認しながら解読・分析に従事している。同時に、以前より行っている同誌の詳細な目録の作成を進めている,また同図書館のマイクロフィルムセクションが保管するリストを参照し、当該時期(1880年代～1940年代)に発行された雑誌を確認、近代北インドで流通した雑誌全体のリスト作成を進めた。
・ベナレス市のベナレス・ヒンドゥー大学ならびにヒンディー普及協会(Nagri Pracha rini Sabha)付属図書館にて資料調査を行った。初めて訪れた同地での調査では、想像以上に資料が保管されていることが判明した。特にネルー図書館には所蔵されていないMadhuri, Stri Darpan, Sudhaの三誌の現物がよく揃っている。時間の制限もあり、今年度は資料読解よりも所蔵雑誌の目録作成に集中し、次年度以降の本格調査に備えた。双方の図書館ともに、マイクロフィルムではなく現物資料が揃っており、その保管場所やアクセス方法が判明したのは大きな収穫であった。しかし双方ともに保管状態は劣悪であり、資料は散逸並びに崩壊の一途をたどっていることが明白となった。所蔵リストも存在しておらず、次年度以降の早急な作業が必要だということが痛感された。
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