研究課題
本年度は初年度の文献調査を補う目的で、まず東京外国語大学にて資料調査を行い、夏期に英国、冬期にインドでの資料収集を行った。特に東京外大ならびにイギリス大英図書館(British Library)、ロンドン大学(School of Oriental And African Studies(SOAS),University of London)での調査においては、日本南アジア学会での発表のために有益な一次資料を入手することができた。発表では、分析対象の一つであるChand誌で特集されたマールワーリー・コミュニティという商業集団が、北インドのエリートたちの手によってどのように表象されたのかを明らかにした°また英国支配下のインド近代社会においてマールワーリーが、エリートたちが目指すあるべきインド国家、「国民」像に反するミラーイメージの役割を負わされたことを提示した。さらにこの発表をもとに(1)論文を作成し、投稿中である。(2)イギリス南アジア学会において発表した(2月にパネル発表申請が許可され、4月に学会発表を行った)。冬期のインド出張では、昨年度にベナレスで行った所蔵調査の結果を基にNagari Pracharini Sabha(ヒンディー語普及協会)併設の図書館において資料収集を行った。これまでの訪問時よりも、資料の保存ならびに管理状態の劣悪さが一層増しており、調査は非常に困難であった。複写は不可能なため、デジタルカメラを用いて対象である雑誌各号の表紙、目次、読者投稿欄を中心に約2000枚の撮影を行った。上述の図書館での資料収集の結果をふまえて、当該時期に出版された雑誌の書誌ならびに所蔵場所を表にまとめる作業が進行中である。
2: おおむね順調に進展している
対象雑誌の分析に関して、国内外の学会にて発表を行い、研究成果を論文にまとめた。また対象雑誌の目次や表紙など2000枚以上のデータを収集することができた。
引き続き所蔵調査を行い、リストの完成を目指す。また内容分析に関しては、読者投稿欄の分析考察を行う。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件)
Comparative Studies on Regional Powers "Comparative Aspects on Culture and Religion ; India, Russia, China" SRC, Hokkaido University
巻: (刊行予定)(印刷中)
Contact Zone(コンタクト・ゾーン)
巻: 4 ページ: 85-96