研究概要 |
近代北インド、ヒンディー語圏で流通した女性のための雑誌のうち主要な3誌GrihaLakshmi, Stri Darpan, Chandを中心として取り上げ、これらの雑誌に現れる女性の自己表象を読者投稿欄と寄稿記事を元に多数検証し、女性がその帰属社会を問わず社会規範に強く縛られていることを指摘した(Komatsu2013h)。さらに各紙の編集記を比較することで、3誌のそれぞれ異なる性格を明らかにし、同時期の女性雑誌の多様性を紹介した(Komatsu 2013h,小松2013f )。 本研究を通して課題として浮かび上がってきたのが、近代インドで発行されたヒンディー語雑誌を包括的に整理する必要性である。雑誌を取りあつかう諸先行研究が一次資料としている雑誌は、そのほとんどが共通した、かつ限られたものでしかない。さらにそれらの所蔵先であるはずの複数の図書館を訪問したところ、雑誌の多くが数年の間に紛失、あるいは破損していることが判明している。貴重な資料が適切に保管されず、整理もされないままに破損、紛失し続ける状態を防ぐことが火急であり、これらを可能にする研究の継続、展開を計画している(26年度より基盤研究Cとして継続する)。
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