江戸時代、徳川御三家の一つとして栄えた紀州には、文献の上からでも、200名を超える画家が活動を行っている。しかし、その実態はほとんど解明されていない。これらの画家の活動の実態を解明するために、(1)狩野派をはじめとする紀伊藩お抱え絵師に属する画家、(2)大和絵系に属する画家、(3)文人画家、以上三つに分類し、作品調査および関連史料の検討を行った。その結果、延べ50名を超える画家、500点を超える作品・史資料のデータを集成し、日本近世絵画史における紀州画壇の新たな位置づけを行うための基礎資料を構築することができた。
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